あらすじ
舞踊の家元で生まれた、双子の雪絵と由利。ある日、師匠でもある父が交通事故で死んでしまい、愛人の子との跡継ぎ争いが始まった。しかし才能がある雪絵が突然やまいで死んでしまいー…。期待されていなかった由利へと母の狂気の目が向けられる!代表作ほか「薔薇夫人」「沈丁花」「虞美人草」「イマジネーション」「似た者同志」を収録。
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Posted by ブクログ
花をモチーフとしたシリアスな短編マンガ集+コメディ掌編。
1984年2月刊。
千の花(『DUO』1984年1月号)
薔薇夫人(『デラックスボニータ』1983年5号)
沈丁花(『JUNE』1983年№9)
虞美人草(『LaLa』1981年1月号)
イマジネーション(『JUNE』1982年№6)
似た者同志(『JUNE』1982年№8)
作者が本音を吐露した(?)
あとがきエッセイ風の1ページもあり、これが興味深い。
男性の同性愛を描きたかったが
掲載誌の都合で男女の三角関係になったとか、
逆に、思い切って描いてよかったときに
照れ(恥じらい?)が生じて
婉曲表現になったといったニュアンスの。
いずれにせよ、現代の読者の感覚からすると、
さほどショッキングな内容ではないのだが、
発表当時は一部で物議を醸したに違いない、という印象。
画風は昔(=同時期?)の木原敏江に近いかもしれない。
そして、異様な熱気を放つキャラクターの多弁さは、
赤江瀑のいくつかの小説を連想させる。
赤江作品から醤油っ気を抜いて
バターを投入したみたい……って、違うか(笑)。