【感想・ネタバレ】トイレからはじめる防災ハンドブック 自宅でも避難所でも困らないための知識のレビュー

あらすじ

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4人家族なら備蓄しておきたいペーパーの数は?
断水していても○○があれば便器が使える!?
避難所のトイレを清潔に保つための心がけとは?
災害への備えで後回しにされがちな「トイレ」。
でも実は、トイレから防災を考えてみると、災害への正しい備えが見えてきます。
災害とトイレについての基本知識から、家庭や職場でいますぐ実践したい備え、マンションなどの集合住宅や地域で協力したい対応のポイント、避難所での時間をなるべく快適に保つための工夫などについて、トイレ衛生の専門家がわかりやすく解説。
家庭や職場で備えたい方から、地域の防災リーダーや行政・企業の防災担当者まで、健康と生活を守るために1冊必携のハンドブックです。

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Posted by ブクログ

飲食は我慢できるが、トイレは待ったなし。衛生、犯罪防止、プライバシーのような精神的ストレス低減にも重要らしく、抜けている観点が、実は最も大事だそう。
とは言え、ペットボトルや非常食のように簡単に用意するのも難しい。トイレ研究所代表理事である著者が示す、本質的な防災の書。

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2024年08月25日

Posted by ブクログ

今すぐ携帯トイレを注文しよう。

災害が起きる前から仮説トイレや携帯トイレの啓発・訓練が必要。小さい頃からの教育・訓練で衛生観念も自然と身につき、共有物(トイレ)の使い方、周りの人への気配りもできるようになる。
お腹が空いて食べることは我慢できても、排泄は我慢できない。発災後3時間後には40%の人がトイレに行きたくなる。
けれどトイレが足りない。災害時に壊れてしまった。水害でトイレの水が逆流している…

著者の加藤さんは巻末に「おわりに」でなく、「おわらない」と下記のエピソードを綴られています。
これを読んで何も思わない方はいないと思います。加藤さんの活動の原動力・災害時のトイレの啓発のひとつだとも思います。


(一部抜粋)
おわらない
最後まで読んでくださった読者のみなさまに、心から感謝申し上げます。
東日本大震災から数か月後、被災地の仮設診療所でトイレの調査をしているとき、屋外の仮設トイレに高齢の女性が車いすに乗ってやってきました。同行された人に「お手伝いしましょうか?」と尋ねたところ、「ひとりでできることが大切です」と仰ったので、見守ることにしました。
すると、その女性は車いすから下りて四つん這いになって仮設トイレの段差を上っていきました。土足で利用される仮設トイレの床はドロなどで汚れていました。
この女性のように辛い思いをした人がたくさんいたのではないでしょうか。
トイレや排泄は日常会話の話題になりづらく、排泄は他人に見せるものではないので、困りごとを一人で抱えがちです。このような状況を変えるには、小さなことでもよいのでやってみることが大切です。

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2024年05月19日

Posted by ブクログ

今回の能登半島地震関連ニュースで著者が出演し、
改めて認識されたトイレの重要さを伝え、この本を紹介していた。
過敏性腸症候群かつ過活動膀胱であり、
ついでに静脈血栓塞栓症をやったことのある私にとって、
災害時のトイレは死活問題。
もし災害に巻き込まれたら私、どうしよう、という思い。

下記目次、、、
これも全チップスを惜しげもなく提供してくださり感謝するばかりだが、
いきなり 「1 発災から3時間以内に38.5%の人がトイレに行く」とある。
3時間!私なんか1時間以内に行きたくなることはほぼ確実。
そうならないように水分を我慢すると今度は
「8 トイレの我慢はエコノミークラス症候群による関連死につながる」
静脈血栓塞栓症体験者としては恐ろしい結末。
漏らすか死ぬか、。。。
考えるだけで恐ろしい。
避難所での集団生活は送れそうもない。猫もいるし、、、
なんて言っていられるのかどうか。
一所懸命この82項目を読んでは見たものの、
結局自治体頼みになりそう。
自分でできるのは携帯トイレを常備することくらいか。

フルマラソンを走っているときは4時間半全然トイレに行きたくないのは、
交感神経が活動しているからか。
ということは普段はリラックスしすぎなのか、メンタルの問題なのか?

いずれにしても食糧よりトイレ。
これは国、自治体にお願いするしかないところだ。
というか、今東京の真ん中で安心してトイレに行けるということは
ありがたいということを再認識した。
水が止まってもダメ、下水道が破損してもダメ。
インフラ維持は大事なのだ。
つまらん箱モノより大事なのはこういうこと。
そういう意味では過疎の地方のコンパクトシティ化も避けられないと思う。
わずか数人のためにインフラを維持するのは、、、
難しいところではあるが。

大事な本だ。

【Part 1  災害とトイレの基礎知識】
1 発災から3時間以内に38.5%の人がトイレに行く
2 給水と排水の両方が機能しないと水洗トイレは使えない
3 断水が起きると水道の仮復旧までは約1か月間かかる
4 74.7%の避難所がトイレに問題を抱えている
5 仮設トイレが3日以内に行き渡った自治体は34%
6 災害時にはトイレが大小便で満杯になる
7 安心できないトイレは「我慢」を引き起こす
8 トイレの我慢はエコノミークラス症候群による関連死につながる
9 不衛生なトイレは感染症の温床になる
10 口腔ケアと排泄ケアはつながっている
11 便器に溜まっている水は悪臭と虫を防ぐ

【Part 2  自宅・職場で今すぐ実践!災害が起きる前の備え】
12 トイレ個室内の棚に重いものと硬いものは置かない
13 トイレに備える非常用照明はランタンタイプが効果的
14 後悔しないための携帯トイレの選び方・使い方
15 使用済み携帯トイレはフタつきの入れ物で保管する
16 「人数×回数×日数」で携帯トイレを常備する
17 必要な備えを知るのに便利な「排便日誌」と「排尿日誌」
18 トイレットペーパーの使用量を把握する
19 手洗いでは石けんの種類よりも洗浄時間を意識する
20 手を洗うだけではなく清潔なペーパータオルでしっかり“拭き取る”
21 アルコール消毒は指の間からしたたるくらい必要
22 便器の洗浄水量を把握する
23 下水道タイプ・浄化槽タイプ・くみ取タイプのどれに該当するか知っておく
24 自主的に点検できる建物の箇所を把握しておく
25 信頼できる排水設備の維持管理業者を見分ける

【Part 3  こんな時には?戸建・集合住宅で協力したいトイレ対応】
26 便器内に溜まっている水の跳ね出しは汚水逆流の兆候
27 災害発生直後は真っ先に携帯トイレを取りつける
28 停電時は散水栓から水を確保する
29 断水時にバケツで水を流す方法
30 洗浄タンクに水を入れるとトラブルの原因になる?
31 道路やマンホールの状態から下水道の状況を調べる
32 排水設備は建物から下水道までの間が破損しやすい
33 トラブルを感知するには汚水マスのチェックが有効
34 集合住宅では上下階で連携してトイレトラブルを回避する
35 建物の給水タイプによって災害時の対応は異なる
36 断水時は「高置水槽」の水を活用する
37 調べておきたい受水槽の非常用給水栓と緊急遮断弁の扱い方
38 排水槽がある場合は貯留容量を確認する
39 浄化槽の自己点検4つのポイント
40 公共マスは下水道の公共管理と個人管理の接点
41 マンションの水洗トイレ対応 ステップ1 緊急点検
42 マンションの水洗トイレ対応 ステップ2 機能点検
43 マンションの水洗トイレ対応 ステップ3 暫定使用
44 マンションの水洗トイレ対応 ステップ4 復旧確認

【Part 4  パニックを防ぐために!災害前に知っておきたい避難所のトイレ環境】
45 在宅避難者の43.8%が避難所や公園のトイレを利用する
46 トイレの個室は50人に1つ必要
47 避難所にある災害用トイレの使い勝手を把握しておく
48 災害用トイレは使用・性能で選ぶ
49 災害時のトイレ対策は20以上の行政部署にまたがる
50 災害時はトイレ確保・管理計画がなければ対応できない
51 トイレ衛生を確保するには司令塔が必要
52 下水道が被災した場合は使用自粛が必要
53 国際的に提唱されているし尿管理の“最低基準”
54 トイレの運営管理は男女共同で実施する
55 広域的な検討が必要なし尿の受け入れとルート選定
56 し尿発生量を考慮して必要数のめどをつける
57 災害用トイレは時間経過に応じて組み合わせる
58 災害になる前に周知しておきたい携帯トイレの使い方
59 持ち運べる簡易トイレを正しく活用する
60 仮設トイレは国が定める「快適トイレ」を優先して調達
61 仮設トイレにはボックスタイプ・組み立てタイプの2タイプがある
62 仮設トイレは“人目につく”場所に設置する
63 マンホールトイレは“下水道接続”と“便槽貯留”の2タイプ
64 段差がなく衛生的なマンホールトイレのメリット
65 運動会をマンホールトイレの啓発・訓練の機会にする
66 下水道接続タイプのマンホールトイレは3型式ある
67 処理装置が備わった自己処理型トイレを活用する

【Part 5  快適に過ごすために!被災時に取り組みたい避難所のトイレ運営】
68 声掛けでトイレ我慢を予防する
69 全員参加でトイレの清潔を維持する
70 トイレは手で触れやすい9か所に注意して清掃する
71 服の袖をまくり飛散する汚れの付着を避ける
72 水害時はトイレの近くに大きなごみ箱を置く
73 屋内のトイレ不足は簡易トイレで解消する
74 仮設トイレの容量をかせぐための“棒ならし”と“ペーパー分別”
75 仮設トイレの運用は維持管理のプロに任せる
76 トイレ環境を整えるために欠かせない“意見を聞く”こと
77 車いす使用者が移動しやすい動線を確保する
78 視覚障害者へのトイレ支援では場所と使用方法の伝達に注意
79 聴覚障害者のトイレ支援ではフラッシュライトの設置とビジュアル伝達が大切
80 オストメイトのストーマ用品は連携して調達する
81 トイレ入り口付近の動線分けで犯罪を抑止する
82 子どもが安心できるトイレ環境とおむつ交換場所を確保する
巻末付録 災害時のトイレ対策で参考になる主な資料

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2024年02月28日

Posted by ブクログ

今年は地震から始まった年だけに、防災の本を読んでみました。
やっぱり気になるは『災害時のトイレ』!
というわけで、タイトルに惹かれてこの本を購入。
著者が日本トイレ研究所の代表理事だけあって、災害時のトイレに関する悩みが詳しく載っていました。
非常に勉強になる本。

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2024年02月12日

Posted by ブクログ

トイレ問題、一番気になっていたことでした。テレビでも以前特集が組まれていたけど、避難先のトイレ全てが汚物で溢れ、それでもさらに積み重ねられ地獄絵図のような光景。自分は掃除せず、スタッフやボランティアに綺麗にしろと怒号を浴びせる光景。一人でトイレヘ行く子供や女性を狙った犯罪。回数を減らしたいからと水分を控えて健康を害する悪循環。避難先でのストレスのダントツの一位はこのトイレ問題だと再確認したし、戸建てやマンションそれぞれの下水問題も勉強になった。毎日何も考えずにトイレに行けて、指一本の作業で流せることがどれほどありがたいことなのかをしみじみ考えた。

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2024年10月07日

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