【感想・ネタバレ】美の共感思考:無名の専業画家が売れっ子的に活動できる地道な実践と考察のレビュー

あらすじ

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完全無所属の専業画家の、売れるカギは、「共感される」ことだった。百貨店での個展経験もなく、マーケティングもせず、売込み営業活動もしない著者が、なぜ、悠々と活動継続できるのか。なぜ、受注できるのか。
個展150回、8万人の鑑賞者に出会い、画家ならではの人間観察と豊富な対人経験をもとに、アーティスト、クリエーター、フリーランスがぶつかる諸問題(お金、メンタル、お客さんづくり)について、「共感される」をキーワードに、独自の活動方法や思考方法を公開します。
また、ギャラリーストーカーなど「迷惑な来場者」への対策や考え方も、著者の経験を踏まえ、迷惑行為のタイプ別に24ページにわたり具体的に、率直に記しています。

主な内容として、
・ほんとうに「自分のしたいこと」をするときに起こる「逆風」について
・自分を支え、リピーターになってくれる「自分のお客さん」を得るには
・さまざまなお客さんとの出会いかた
・お客さんは何に対して共感し、応援するのか
・長く創作を続けていくためのお金の問題
・値付け、個展などについての考え方と提案
・お客さんからの注文を得るために
・創作者の性格(陽キャと陰キャ)と接客
・不安定になりがちな心への対策
・ギャラリーストーカーを含む「イヤなお客」のタイプと対策
などのほか、X(旧ツイッター)のフォロワー数2万6千人(刊行時)である経験から、SNSの活用方法と効果について、や「受注を増やす方法を」を、安価な金額設定でふすま絵を出張して描く『ふすま絵プロジェクト』立ち上げの経験から提案し、提言します。

いったい著者は、どうしてこんなに惜しみなく手のうちをさらすのでしょうか? 終章「美について」と「200年後の未来の人たちへの手紙」で、著者が一生をかける「美」への想いと、今の美を未来の人に伝えたいという願いを語り、一見、美とは相反すると思われがちな「共感される」ことや「お金」の問題が、実は美の真髄に迫るものであることを語ります。

無名の画家が自分をさらけ出して書いた『職業は専業画家』(誠文堂新光社、2021年)がじんわり好評であることを受けて、第2作目『美の共感思考』の刊行が決まりました。画家をはじめアーティストやクリエーターが直面する多岐な問題をより深掘りする本作は、『職業は専業画家』同様、自営する人、起業を目指す人にも必携です。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

創作活動を続けていくために、作者が徹底して実行している行動力が素晴らしい。
わたしも含め、最終学歴と現職に関連性がない人は多いと思うが、高校くらいから進路を見据えて、絵の練習をするだけでなく、社会の仕組みを知って独立した時にやっていけるように、筆者はあえて美大に進学し、自分の意志で就職している。学んだ内容が収入に直結している。
元々、絵の才能はきっとあって、それをご自身で磨き続ける事を怠らず、進路に反対してくるような親族もいなかったのだと思う。絵を学ぶために生きて、実際にそうしている。
この本は何も、芸術家として専業で生きていく人のみならず、一般の社会人にも大変参考になる教科書のような本だ。
嫌われる事を恐れずに自分を曝け出し共感を得る事、心を壊さないように自分を管理する事、最低限生活していくためには、何がどのくらい必要かを知る事、お金がなくても美を感じるために心が豊かになる発想、行動を取る事、などなど。
ネカフェでまったりしながら飛行機のファーストクラスにいると空想するなどのユーモアもある。
少し人とぶつかっても、自分を出して、されたら嫌な事、嬉しい事などを周りに伝える努力をすると、共感して味方になってくれる人は必ず現れる。仕事がやりやすくなったりする。
個展で嫌な客に会った時にちぐはぐな返をして会話を終わらせる方法や、ストーカー的な行動をしてくるお客をブロックする方法など、アーティストやフリーランスを目指す方以外にも勉強になる事が盛り沢山なので、読んだ方はきっと納得して共感してしまうだろう。

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2025年08月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1回目:2024/10/8〜10/25

自分が絵画ではないけれどもアート活動をしているので、参考にしたいと思って読みました。分野が違うので具体的な手法は応用できなそうでしたが、それでも基本的な考え方や姿勢からは刺激をもらいました。

著者さんは現時点では世間一般からすれば「無名」かもしれませんが、地に足を着け、それと同時にとても大きなビジョンと視野を持ってご自身のアートに向かっていっているのだと伝わってきました。

余談ですが、ギャラリーストーカーなどの「イヤなお客さん」の対応の部分は、どの分野でもこういう人たちはいるんだなぁと苦笑してしまいました。それと同時に、こういう人たちに出会うということは特別なことではなく、人前に出ていく以上、付きものなのだなとわかりました。エネルギーを守るの、大事ですね。

本を読み進めた最後の方で著者さんの作品を見ると、作品への自分の興味も強くなっているし、作品自体もとてもよく見えてきて、「なるほど、これが著者さんの言っている共感か〜」と思いました。

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2025年01月19日

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