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Posted by ブクログ
第一線の考古学者がマヤ文明の概観を自分の研究をベースに記述。著者の専門の石器の話や考古学的な詳細が新書の割に多く、わかりにくいもののそれが逆に本気度を伝えている。正しいマヤ文明の理解を伝えることが、著者のライフワークの一部とのこと。
マヤ文明は、ユーラシア諸文明のように大河のほとりで大灌漑事業をベースに絶対王権が栄え牧畜、鉄器などの文明を発展させたものではない。分散された都市国家が、牧畜はせず、ユーラシアの米や小麦よりも高効率なトウモロコシなどを栽培し、天文学文字を含む石器文明、交易を発展させていった。そう聞くとギリシアやキリスト教以前のヨーロッパ北部に近いものかと思うが、海上交易は少ないようだし、その比較は本書にはない。
著者が携わるようにマヤ文明に関する知識は更新され続け、昔マヤのピラミッドは祭祀用とされてきたが、王墓も中にあるものが多いことは知らなかった。