あらすじ
大学生になった未樹(みき)と、司法書士の浅海(あさみ)が出会って1年半。受験から解放された未樹は、週末ごとに浅海の部屋を訪れる。甘く情熱的な彼との行為に、翻弄され溺れていく未樹。本当は朝までいたいのに、家族を気遣う浅海の配慮が、未樹は少し不満で…。そんなある週末、日帰りのドライブを楽しんだ二人は、別れ際の抱擁を母親に見られてしまい!? ピュアハート・ラブ感動の続編!
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Posted by ブクログ
前作はほんわか甘~い感じで終わり、正直これ以上続編って何?な感じで読み始めました。読後、なんだろう、この釈然としないモヤモヤ感。わたしはこの作家さんの作風も文体も好きです。微妙な心理描写も変にポエムに走らず、すんなりとうまいと思う。それ自体に全然不満はありません。今回、この続編のテーマは、いわゆるBL的ハッピーエンドを迎えたその後、図らずも同性の相手と恋愛関係に陥った後の『世間や家族との対峙』なのです。正直、どうしてそんな重たいテーマを続編にあえて持ってきたのかな~・・・と。もちろん、そういうテーマはあってしかるべきだけど、大抵の場合、そこはあえて目をつぶって見えないようにしている部分なわけですよ。BLはファンタジーだからね?攻と受は末永く甘々に暮らしましたとさ、っで終わってほしいところなわけです。個人的には。特に前作がそんなテーマを追求するような類の話では全くなかったから。そんな現実はみせてくれなくてもよかったのに、っていう悄然とした気持ちになってしまった。
で、それに加えて、出てくる人出てくる人の『いい人』っぷりが嘘くさい。どんなに周りに反対されようが、絶対にあきらめるつもりはないと1ミクロンもぶれることがない攻。その揺るぎない誠実さにリアリティを感じない。12歳も年上の大人なら、当然の不安や迷いもあるわけで、お互いに相手の立場や将来をおもんぱかって『別れよう』っていう選択肢があるはず。少なくともそう迷う気持ちが。そんなに揺るぎなく貫き通せるものではないはずだと思うんだ。大人なら、尚更。
で、受の子にしたって、やっぱりもっと迷って、疑って、っていう、ある種醜い感情がはるはず。今まで『いい子』を演じてきた受が親に対して初めて感情を爆発させて、どんなに反対されても好きだ、ごめん、ごめんって泣き崩れるところは、胸に迫ってもらい泣きしそうになったけど。やっぱり、まっすぐでいい子過ぎるんじゃないかな。そして周りの大人も容認するのがあっさり過ぎじゃないかな。
こんなに重いテーマなのに、きれいごとを見せつけられた気がして、わたしはモヤっとしました。