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Posted by ブクログ
漫画「たかが恋だろ」「愛想尽かし」と来て、最後に小説「花片雪」。漫画もよかったけれど、これは確実に小説がよかったです。椹木の魅力がこれでもか!と溢れまくってました。
ただ可愛がるでなく突き放すでもなく、柊也に考えさせ、見守る椹木のような愛し方って、なかなかできるもんじゃないと思うのです。でもここぞと言うときには全力で守ってくれるあたり、溢れる兄貴感。そりゃ柊也も惚れちゃうよねと。
もちろんそんな椹木の元で、周囲にも自分にも期待せず、楽な方楽な方に生きようとしていた柊也も変わって行きます。このふたりの相互作用がとても愛おしい。
本作では柊也の大切な過去を共有する幼馴染の悲しい殺人が主軸となっていて、この彼の後悔が読んでいてずしりと重く、切ない。柊也がご飯を食べながら子供のように泣き出してしまうシーンでは、いっしょに涙してしまいました。
Posted by ブクログ
はあ~、とっても良かったです。
実は読みはじめる前に少し躊躇したのです。それは何でかと言うとせっかく「愛想尽かし」でハッピーエンドだったのに、波風がたってしまうところはあまり読みたくなくて。
柊也が変なことをしでかして、椹木さんが振り回されちゃうんでしょ? で、素直になれないとかで何ヶ月も何年も離れなくてはならなくなったりして……。とかね。
そんなの読むのは辛すぎるじゃんとか思って、でも英田さん作品だし、読まねば!という葛藤もあって。
だけど、思いきって読んでみたら、良い意味で裏切られました。
最初の方こそ、柊也のマイナス思考で「自分は幸せにはなれない」的な展開かと思いましたが、結局のところ、ずっとずっと椹木さんと行動を共にしているではないですか~。
その過程で、お互いがどこをどう好いているのか、とかがきちんと書かれていて(まあ、大方の予想通りの理由なんだけれども)なんだかじわじわと幸せな気持ちになれました。
しかし、脇カプだけど弘登と匡和が……、なんとも言えずせつないですね。弘登は意識不明の重体くらいで良かった気もする。死んでしまったら未来はないですもんね。
また、英田さんの作品、読もうっと。ずっと読み続けたい作家さんの一人です!