あらすじ
なぜこんなにも「若者」を語りたがるのか、「世代」とは何か――若者たちのリアルと大人たちの視線とが交わってはズレてゆく、1980年代からの軌跡。この10年の動向を増補した決定版。
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Posted by ブクログ
以前読んだ「BLの教科書」という本に出てきて読みたいリストに入れていたこちら。
最近朝井リョウの「イン・ザ・メガチャーチ」を読んでこちらの本のことを思い出したので読んでみた。
(というのも、この2冊ともオタクをテーマに挙げており、共通点があったため)
面白かった!
ただ、全体的にちょっと難しく、すべては理解できなかった…。(ので星4つ)
"つまり""すなわち""要は"などのワードから始まる文章だけでも理解しようと奮闘、、
せめて、一般的でない言葉にはふりがなをつけてほしかったです。
消費について。
「機能」としての商品から、「記号」としての商品へ。
これは頷けるところがあるなぁ。
着ている服、乗ってる車、聞いている音楽、などに"ステータス"を感じる現象がそれだなと。
近年だと「インスタ映え」とか正にそうですよね。
高級レストランや高級ホテル、高級車の写真を載せて「いいね」をもらう方たち。
ただ、最近だとそれも飽和したのか、本書の中にある「手作りクリスマス」のようなものが見直されている気がする。
コロナの影響かな。たとえば編み物ブームとか。
学校教育に「個性」という概念が導入された話。
自分はまさにゆとり教育世代ですが、ゆとり教育の目的を深く考えたことがなかったので怖くなった…。
4章以降はオタクと呼ばれる人びとをピックアップして論じられます。
ここに関しては「オタクは"虚構"に耽溺している」というようなことが複数回書かれていて、
確かにそうなんだけどさァッ!もっと言い方あるんじゃないの泣と、個人的には悲しくなりました笑
ちなみに、ここで個人的に疑問だったのはアイドルオタクはどうなんだろう?ということ。
アイドルもある意味では虚構だけど、それを明言してしまうと方々から怒られそうで…。
最近「推し活」という言葉も出てきて、アイドルにハマる人も増えているけれど、ジャニオタとか、モーオタとか、昔からアイドルオタクはいたわけなので、その辺りも論じて頂けたらよかった。
結論の一つとして、世代間での差はあるが、どんどんその差は小さくなってきている、というのがあった。(=世代の星座の接近)
朝井リョウの「イン・ザ・メガチャーチ」ではマーケティング手法として、年齢や性別などの従来のセグメントではないものが使われていて、本当にそれは理にかなっている分析方々だと思った。
すごい!!
補章では多くの実際のデータを引用して論じられていた。
こちらの本を読み終わって思ったのは、社会学全般とか統計学、マーケティングを勉強してみたい!ということ。
「最近の若者は〜」となんとなく思っていることが、この本のように根拠を出して、自信を持って伝えられたら絶対楽しいですよね。