あらすじ
光は新宿より
この男、悪魔か英雄か?
戦後、焦土の東京に君臨し、新宿の闇市でいち早く頭角を現した伝説のテキヤ。
〈街の商工大臣〉〈東京のアル・カポネ〉と呼ばれ、上野アメ横やニュー新橋ビルの元となるマーケット成立にも深く関与した尾津喜之助の破天荒な生涯を、まったく新たな視点で描く圧巻のノンフィクション!
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Posted by ブクログ
戦後、新宿駅東口で開かれた闇市「新宿マーケット」。その創設者である尾津喜之助が本書の主人公。
不法占拠の土地に作られた市であり、所有者からの明け渡し訴訟などもあったことから、残念ながらその隆盛の期間は長くはなかった。だが、わずか終戦5日後の1945年8月20日には、建築資材を集め、警察からの許可も取得した上でマーケットを開設しており、その行動力と目利き力には感嘆するほかない。
新宿を「つくった」とまで言い切ることに抵抗はあるが、新宿の街づくりに多大な影響を与えたことは間違いなく事実であろう。なにより尾津喜之助のキャラクターが魅力的であり、戦後日本復興のアイコニックな存在であったのだろうと推察できる。