【感想・ネタバレ】神の微笑(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

無信仰な僕が、一生の間に経験した宗教的現象を次々に想い起すと、これらが単なる偶然な経験ではなくて、偉大な神のはからいによって経験させられたのであろうかと、自然に考えるようになった――人生九十年、心に求めて得られなかった神が、不思議な声となって、いま私に語りかける……。芹沢文学の集大成、九十歳から年ごとに書下ろした生命の物語〈神〉シリーズ。(解説・大岡信)

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Posted by ブクログ

芥川賞作家・芹沢光治良さんが晩年書かれた神様シリーズの1冊目。

素晴らしいキャリアを積まれた、とても素敵な年上の女性から勧められ、お借りして読みました。。


若き日々の芹沢さんと神との関係について書かれた自叙伝です。。

決して裕福ではなかった幼少の頃。。
秀才でありながら、中学を出たら働けと祖父から言われ・・
空に向かって「神様なんているものか!」
と心の中で叫ぶシーン。。

丁度、人生最大の試練(!)と思えるような状況だった私は、

「神様!どうして私がこんな目に遭わなければいけないの?
私は何も悪い事はしていないのに!」

と、同じように空に向かって心の中で叫んだ事を思い出し、
共感を覚えたのでした。。(おこがましいですが・・)


結局、芹沢少年は、担任の先生の紹介で支援者を得、
留学までさせてもらうのですが、
留学先で出会った友人達(科学者や後の起業家)との交流、
友情もとても素晴らしく、心が浄化されるような気分で読みました。。

芹沢光治良さんは、晩年 木とお話し出来た方なんです。。
人々の生活を長く見守ってきた木とのお話の内容も、
とても興味深く、こころに染みるものがありました。。

読むほどに心が浄化されて神聖な気持ちにしてくれた本です。

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2010年10月20日

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