あらすじ
医学部をめざす受験生が増えているという。毎年11万人以上の志願者が難関の医学部をめざしている。医師の収入は他の職業に比べて高く、社会的なステータスもある。本人はもちろん、親も医者という職業には魅力を感じているのだろう。そのため、医学部の偏差値は、国立大学はもとより私立大学でも軒並み高い。では、医者という職業はほんとうに魅力的なのだろうか。収入面や勤務実態はどうなっているのか。本書は、日本でも三指に入るといわれる心臓血管外科の現役医師が、本音で医者の仕事と医療のこれからを論じている。また、「学校名より実力重視に変わってきた」「どの大学でも教えてもらえることは同じ」「全国どこでも行くつもりなら、合格しやすくなる」など、先輩医師として、医者をめざす若い人たちにアドバイスする。本書を読んでから、改めて考えてみてはどうだろう。著者は「あなたはそれでも医者になりたいですか」と問い続けている。
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Posted by ブクログ
心臓血管外科医 渡邊剛(金沢大学心肺・総合外科教授)による書。
冒頭はお金(給料)や、社会的立場や医師養成のシステムについての解説。
大切な話ではあると思うけども、冒頭だけでいうと、確かに興味深い話ではあるが、こんな本なのか、と少しがっかりした。
けども、そういう社会的な話が紹介されながらも、医師の「やりがい」について率直に訴えられている点は、この本に一貫していることの一つだと思うし、話は中盤以降にどんどん面白くなっていく。
中盤以降は著者の行っているアウェイク手術やロボット手術の紹介を含めながら、かなり理念的な話も展開されていて興味深く読めた。
また、『良い医師になるための十七ケ条』のそれぞれの解説も深く頷ける内容であったので、医療従事者は是非とも一読をお勧めしたい。
タイトルは『医者になる人に知っておいてほしいと』としてあるが、現在医者になりつつある人や、医者のみならず、医療を携わる人、医療を受ける人にも普及させていくことのできる話だと思えた。
冒頭から医師の「やりがい」について、現状の問題点を提示しつつも前向きな本といえる。
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【目次】
第1章 どんな医者をめざしますか?
第2章 人生を左右する医学部選び
第3章 超一流の医者をめざせ!
第4章 世界を見据えた医者に
第5章 未来の医療をつくる
第6章 二〇四〇年の医療はどうなっているか
終章 「未来の医者」を育てる
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【内容紹介(「BOOK」データベースより)】
医師は、多くの学生や親の憧れの職業である。そのため、医学部の偏差値は他学部に比べて高く、学費も高額である。また、医師の収入も他の職業に比べて高く、社会的名誉もある。しかし、医師はほんとうに魅力のある職業なのだろうか。長時間労働は当たり前で、訴訟のリスクも大きく、ミスが許されない職業である。大学病院の最前線で活躍する著者は、「それでも、あなたは医師になりたいのか」と問いかける。医者をめざす人たちに向けて、仕事のやりがいと業界の現実、未来の医療についてまとめた。
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