【感想・ネタバレ】国際法からとらえるパレスチナQ&A イスラエルの犯罪を止めるためにのレビュー

あらすじ

多数の子ども・民間人が殺される事態は犯罪ではないのか? 事態の見方をあいまいにしてイスラエルに利する政治家の発言や報道がある中で,国際法の専門家が明快に解説する.国際法での重大犯罪とは? 歴史的にみて現状は? 法は無力なのか? 事態を国際法で捉える私たちの声が,力の支配を終わらせる.用語解説・年表付き.

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ステファニー・クープ(青山学院大学準教授)は国際人権法や国際刑事法の研究者。
この本では徹頭徹尾国際法によって、イスラエルの国際法違反を糾弾する。
以下読書メモより

⚪︎国際法に違反するイスラエル
・ジェノサイド犯罪に該当する。
・2024.9.15までにパレスチナ人は少なくとも4万1206人が死亡。そのうち1万7000人が子ども。
・イスラエルが攻撃前に退去命令を出したが国際人道法に違反しながら守っているふり、人道法を悪用している。
・そもそも退去命令を出すこと自体が不法。
・22023.10.7の攻撃に関与したと主張しUNRWAの施設を攻撃。日本政府は拠出金を一時停止した。証拠示できず。

⚪︎私たちが犯罪を犯罪として意識しにくいわけ
・報道の姿勢。国際法に照らして 評価せず、対立の枠組みで伝えがち。
・イスラエルや米国の言うことを検証できてない。
・あまりに大規模な破壊や虐殺に対して、それが犯罪であり加害者がいるととらえにくくなる。
・心が折れる。

⚪︎ジェノサイド犯罪と人道に対する犯罪は、武力紛争の存在を前提にしない。

⚪︎イスラエルはジェノサイド犯罪、人道に対する犯罪、戦争犯罪に該当する。一方、10.7のハマスの攻撃も、戦争犯罪と人道に対する犯罪に該当する可能性がある。

⚪︎パレスチナ人には国際人権法で帰還の権利が保障されている。

◎国際法はイスラエルの振る舞いを認めてはいない。ラジ・スラーニ(パレスチナ人権センター代表で弁護士)は「とにかくパレスチナに国際法を適用してほしい。それだけでいいんだ」と語る。
・占領地域からの撤退を安保理事会が採択
(米国が拒否権行使した案件も多いが)
・国際司法裁判所の命令
・国際刑事裁判所からの告発など
⚪︎米や欧州の方を無視した後押しが問題。

⭕️私たちができること。一つの例として
2024.2伊藤忠がイスラエルの軍事企業エルビット社との覚え書きを解消。国際司法裁判所のジェノサイド防止暫定措置命令を根拠に多くの市民が働きかけたことも影響。
南アのアパルトヘイト体制の終焉には「ボイコット・投資撤収・制裁」(BDS運動)が大きな力になったことを思い起こそう。
先日の愛知県の件も同じだね。Change.orgが頑張った。
ちなみに私もChange.orgの署名には積極的に参加している。

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2025年11月21日

Posted by ブクログ

なんとなくパレスチナやイスラエルのニュースは見たけど何が起きてるのか……という人の最初の1冊目にも、ある程度何が起きてるのか把握してるけど法的に何がどう問題になるのかまとめて整理したい人にもおすすめ。歴史については他の入門書を読んだほうが良いけど、とっかかりに良いと思います。

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2025年08月02日

Posted by ブクログ

岩波ブックレットNo.1101です

No.1099ではイスラエルが現在行っていることを「宗教」という”ものさし”で見たわけですが、今回は「国際法」という”ものさし”で見てみます

さすが岩波さんです
多角的な視点を提供してくれてるわけですな

で、もちろん国際法違反しまくりの犯罪行為なのは最初から分かっていたんですが、細かくこのことはこういう訳でこの国際法に違反しているとかなり詳しく解説してくれたことで、より確証を得ることができました

つかね、がっつりジェノサイドなわけ

国際社会が協力して即刻止めさせないといけないのよ

わいは常々これってさー50年後くらいにまた「あの悲劇を繰り返してはいけない!」みたいなこと言われるようになりそうだよ
そんな流暢なこと言ってる場合じゃないのに!なんてことを思っていたんだが
これマジで50年後も続いてるんじゃねーかって思い始めてきましたよ

このブックレットでは最後に個人が出来ることの一例として、イスラエルを支援・支持してる企業をボイコットするってのが挙げられてました

なるほど!と思ったんだけど具体的にはどこなんだろう?

今度調べてみよ!

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2025年02月03日

Posted by ブクログ

シオニストとユダヤ人とは違う。
戦前、少数ながらパレスチナには、ユダヤ人が住んでいてセファルディムは、ヘブライ語またはイディッシュ語とパレスチナ人の言葉を話していた、
アシュケナジムは、ラティノ語とパレスチナ人の言葉を話し、パレスチナ人と良好な関係を築いていた。
シオニストではないユダヤ系アメリカ人は、パレスチナ人に同情的だ。
ある種ユダヤ系過激派なんだろうな。
ユダヤの戒律とズレていないか?

第二次世界大戦時、ナチスに迫害されイスラエルへ行ったユダヤ人は79年後ナチスと同じ過ちを犯している。
ナチスの真似すりゃ良い、よくご存知だもんね。
しかし、イスラエルを非難する決議を反対したアメリカ、棄権したドイツ、
いくらユダヤ人を迫害したとはいえ、他の民族を迫害するイスラエル人に肩を持つ謂れはドイツにはねーよ。
悪い事は悪いと言ってもらう、それが償いじゃないの?
ナチスは、ユダヤ人だけを迫害したわけじゃない、
ユダヤ人とスラブ民族、社会主義者、エホバ、同性愛者、ロマやシンティ、障害者も迫害しまくったんだから。

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2024年12月10日

Posted by ブクログ

ガザで現在起きている「ジェノサイド」が、国際法的にやはりジェノサイド以外の何ものでもなく、そのほかにも人権や戦争に関する多くの条約に反しているということ、そしてメディアがそこに言及せずに、イスラエルとハマスの間の対立の問題として、事実を客観的、中立的に伝えるようなスタンスで報道していることの問題をこれでもか、というほどあげてくれている。

そして、イスラエルの行動を容認し、保護しているのがアメリカであり、国際法の適用を自分の都合のように運用するそのダブルスタンダードが、第二次世界大戦の悲惨な経験の産物である国際法の形骸化、ひいては世界の秩序を切りくづしているのだ。

大まか、そんなことだろうなということが、しっかりとした根拠とともに整理されていて、また知らなかったことも相当あって、理解が進んだ。

で、何かするのか、と考えると無力感に囚われるのだが、ささやかながら私たちにできることも記してある。

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2024年12月08日

Posted by ブクログ

「法はいわば物差しで、事態を客観的に共有するための基準なのです」
知ることと寄付ぐらいしか出来ないが、せめてソレぐらいは。

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2025年02月28日

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