あらすじ
切断したはずなのに、足のあった場所が痛む…。
世にも奇妙な現象〈幻肢痛〉とつきあいながら、視界の外に広がる世界を思索する4年間の記録。
■白石正明さん(「ケアをひらく」編集者)推薦■
「ない」と「ある」の間には、いまだ名付けられぬ荒野が広がっている。
“幻”と“現”が交錯するそんな幽冥の地を、彼は嬉々として探検する。
その足跡を辿っていくと、私たちもすでに「ない」と「ある」のグラデーションの上にいることに気づいてしまう。
それは端的に気持ちいい。
【内容紹介】
12歳から骨肉腫により人工関節だった著者の青木さんは30歳の時、感染症の罹患を機に太腿から下を切断することを決めます。人工関節ゆえに曲がらない脚、感染症のリスクから切断には前向きでしたが、噂に聞いていた〈幻肢痛〉を身をもって体験することになります。
切断した後の足を火葬して骨壷に入れてもらい、骨壷を眺めながら考えます。
「無いものの存在」に耳を傾けること。
それは例えば、社会の中で抑圧されるマイノリティや、不安に苛まれる人の声と重なるのではないか…。闘病記や当事者研究の書を超えて、自身の痛みに向き合いながら世界を思索する一冊です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
幻肢痛という不思議な精神世界について、教えてくれる本。
そして、アート。
生きるための必要不可欠な表現、それがアートと呼ばれることもある。
アートとは呼ばれないものもある。
でも、人が何と呼ぼうと、生きるってそういうこと、なんだろう、と思う。
Posted by ブクログ
刺激を受けました。
無いものの存在、か〜〜。超むずかしいね。
右足切断から義足完成までの間の
著者の書き散らしです。読者の想像が
到達しそうなところもあれば、
到達しそうにないところもごちゃ混ぜの
ミックスサラダのような本でした。
義足で自転車に乗ると、
義足の範囲が自転車の大きさまで
拡張される意識、とか
ほんとに「わかりそうで、でも自分で経験しない限りわからないよね」とむずむずしました。
こういう読書体験が好き。自分、不器用なりに
楽しんでるんで。笑