【感想・ネタバレ】教養としてのインテリジェンス エピソードで学ぶ諜報の世界史のレビュー

あらすじ

古代世界では、戦争においても情報収集より神々の信託という占いが行動基準となっていた。紀元前4世紀に活躍したアテナイの名将クセノポンは、デルフォイの信託によって大軍をシチリア島に派遣する作戦を実施して無残な失敗に終わった。これに対し、『孫子』では、戦争における占いを完全に否定している。カエサルは情報を重視したことで知られ、情報の秘匿にも力を入れた。アルファベットの「A→B」という具合に1字づつ置き換える換字式暗号を編み出し、これは「シーザー(カエサル)暗号」と呼ばれる。情報収集には、公開情報による「オシント」、人的接触による「ヒューミント」という従来からの手法に加え、衛星画像や航空写真による「イミント」、イミントと地理空間情報から作成される「ジオイント」などがある。こうした最新テクノロジーの話も満載。本書は、月刊雑誌「Wedge(ウェッジ)」2021年4月号から2024年5月号までの連載をベースに加筆・修正したものだ。

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Posted by ブクログ

古今東西のインテリジェンスについて網羅的に記載されている1冊。江戸時代の情報伝達手法は興味深かったです。
各節が独立しているので、目次からすぐに情報獲得/復習できるのがまた良いです。

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2025年11月24日

Posted by ブクログ

 世界各国のスパイ、諜報機関のエピソードを学べる。『孫子』でスパイ活動について言及されているが、そのノウハウは当時画期的であったという。なぜなら、古代ギリシャやペルシャにしても、占いで情勢判断をしたためである。本書でカエサル、ワシントン、ナポレオンなど歴史上の人物を取り上げているが、いずれも諜報の重要性を認識しており、そのおかげで戦争に勝利できたという。もちろん、本書でも日本の諜報に言及しており、その能力は決して低くはなく、むしろ近代以前から優れていることがわかる。著者によると、日本で今後、諜報組織の改革をしたいのであれば、世論が関心を持てるように努力しなければならないという。

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2024年12月30日

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