あらすじ
フランスの出生率が上がってきた理由とは? 近年「子どもが増えている先進国」として知られるようになったフランス。その理由は少子化対策の成果? それとも婚外子が多いから? その社会的背景から探る。
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Posted by ブクログ
わかりやすく、かつ、事実・統計・見聞きしたことがそれぞれ独立に述べられ、論理的に処理されていたのがよかった。
そんなに違うかー、という感想。
問題は歴史を巻き来んで複雑に絡み合ってるのね。。。
Posted by ブクログ
いわゆる行政における少子化対策を求めてこれを読んだら、ちょっと期待していたのとは内容が異なっていました。もちろん、フランスの教育制度や手当のお話もあるんだけど、メインはフランス女性は母というより女性であるということの意識の高いとかそういう話かな。
興味深かったのは、フランスでは3歳からの保育学校全入制度と保育園より乳母を雇うのが割と一般的であること。あと、ミクシテという言葉。
フランスというとボーヴォワールのイメージ(古い)なので、フランス人女性の就業率が高いという話には驚きました。
Posted by ブクログ
これまでの著作は著者の主観的な要素が比較的多かったように思うけど、本作は史実やデータなども用いて客観的な視点から書かれている。女性に求める母性的な要素を減らすこと、子どもの教育にかかる費用を社会で負担する…などなど色々と女性の出産や子育て促進に向けた提言が紹介されていたけど、アラサーの日本女子としては、女性自身の意識も結構、相手に依存的な部分が多くて、フランス式?を取り入れるに際し先ずは意識改革も必要なんじゃないかと思った次第。
Posted by ブクログ
少子高齢化待ったなしの状況でこういう本が読まれるのだろうなとおもうが、フランスの制度の歴史が分かりやすく書かれている。
著者も書いている通り、全く文化の異なる日本で同じことが導入されるかは難しいが、経済状況の変化から、専業主婦が減り続けていかざるを得ない状況は30年前のフランスと同じかもしれない。どちらかと言えば、低所得階層への出産、育児、教育への各種手当が手厚く国家と雇用主負担の家族手当金庫から拠出されているというのは興味深かった。
日本では企業が支払っている、家族手当や住宅手当等、家庭維持の為の経費を雇用者と雇用主、及び国家とで管理していると言うしくみはある種公平かもしれない。
女性の多くが専業主婦を自明のものとして志向し、結果として出産後のパートや派遣へと就業する流れは、文化的な背景もさることながら、配偶者控除や第3号被保険者と言った家族政策、及び企業の低賃金労働者獲得とのニーズが合致しているからなのだろう。
あと10年後ぐらいに、若い人たちがもっと結婚しやすく、子供を産みやすくする方向へ社会を変えていくためには参考になることは幾つもあるように思う。
人生一人より二人の方が、生きるのは楽しいと私は思っている。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
女性がハッピーな国は子どもも増える!?
その真相を歴史的背景から解き明かす。
[ 目次 ]
第1章 フランス人は「セックスレス知らず」か?
第2章 「恋愛大国」だから子どもが増える?
第3章 フランスにはなぜ専業主婦がいないのか?
第4章 婚外子が多いと子どもは増えるのか?
第5章 フランス人たちはなぜカップルになれるのか?
第6章 フランスは少子化対策に成功したのか?
終章 フランスから何が学べるのか
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
フランスではなぜ子供が多いのか、なかなか興味深いことだと思い読み進めてみた。
ヨーロッパでは今で言う少子化対策が昔から行われていたが、フランスでは特に早くから少子化対策に繋がることを行なっていたという。
育児は社会全体で支えて行うものであるということが広く国民に浸透し、政府もそれを実行した結果なのだと思う。
フランスで行ったことを日本でそのまま行うことは、文化的な背景からも無理があるが、一部分を取り入れて実行することは良いのではないかと思う。
Posted by ブクログ
それぞれの国に、それぞれの恋愛の起源があって、それが現代の人々の意識にも根付いているってのがおもしろい。
日本ではそういう面のタブーなんかが多いから捻くれた人が増えがちで、わたしはフランスの考え方のほうがさっぱりしてて好きです。
Posted by ブクログ
フランス女性はセクシャル、かつ小さい頃からころから自分の体は自分で守るという意識をもったうえで恋愛をつくりこむ。男性任せではないということだ。また、能力さえあればそれに見合った就業の機会が提供され、一生涯社会的にも自立できるシステムが構築されている。働きながら安心して子育てできる環境が万全であり、寧ろ働かない女性は無能とさえみなされる。男性側には妻を食わせなきゃならないという気負いはなく、主夫業に専念する男性も少なくないようだ。婚姻関係はパスク、事実婚など緩やかな男女の結びつきから始まり必要に迫られれば結婚すればいいという気安さ。なお、フランスでは同一労働同一賃金であり、日本のよう非正規・正規間差別はない。若年でも気軽に結婚できる環境がある。意外だったのは婚外子が多いこと、移民が多いことは多産の理由ではないということ。日本女性の高学歴化は男性にほぼ匹敵するほどに進んできている。企業側も優秀な女性を引きとめておくために自然に働きながら育児ができる環境を作らざるを得ないのでなかろうか。フランスにおける出生率の高さはフランス女性の自立心であり、自立できる環境づくりがその最たる要因と見た。フランス書院・・・。
Posted by ブクログ
今までのフランス出生率関連の書籍のなかでは比較的イイ出来。フランスの出生率の高さは、決して出生率向上を目指した近視眼的な政策からではなく、60年代別からの女性の社会進出を推進する政策や、労働者の権利を守るための法律、68年革命以降のピルの解禁や中絶の合法化、同一労働同一賃金など、非常に重層的に仕組が出来上がったのだと納得。それらは結果的に出生率向上に繋がったのであって、政府はむしろプライベートには干渉しない立場を取っていたようだ。ヨーロッパに比べ、日本が遅れているというのは最近あまり使われない論法だが、ピルの解禁が90年代後半だったことや、男女雇用機会均等法にしても壮絶な闘争の末に勝ち取った権利ではないことを考えると、やはり日本人の権利に対する意識はヨーロッパより遅れているのだなという感想を持たざるを得ない。単純に出生率向上という視点で政策を考えていたのでは、あまり効果は見込めないだろう。
自分がフランスにいた経験から思うのは、フランスでは子供は未熟な大人であり、子供中心の生活になることはない。子供と大人は別世界に住んでいる。また子供時代への郷愁も比較的少ない民族である。児童文学の貧しさはそれを明確に表している。そんな子供や子供時代を理想化せず、過剰すぎる期待をしないことも、子供を作る重圧を下げていると思う。日本は子供に期待しすぎるし、子供時代への郷愁が非常に強い。それは悪いことではないが、出産へのプレッシャーを上げていると思う。