あらすじ
「貴方は私の味方? それとも…」
皇位継承権第一位でありながら、山奥へ追放された第一皇女・紫苑。しかし、十年後、女帝となっていた妹の美美が不審な死を遂げる。急遽呼び戻され、女帝となった紫苑は、後宮にいる花婿たちと夜伽をし跡継ぎを産むよう命じられるが、跡継ぎを産めば用無しとなり殺されてしまうーー
後宮には、いずれもくせ者の四人の花婿の他、地下牢に軟禁されている謎の男がいた。果たして誰を選べば生き残れるのか? 驚きの結末が待っている激動の中華後宮物語!
感情タグBEST3
陰謀うずまく後宮で、誰が味方になってくれるか分からないままハラハラしつつ読めました。花婿たちと徐々に味方になりながら、歩む主人公を応援する気持ちになりました。なるべくネタバレしないようにと思いましたが、一番印象に残ったのは、平民の主人公が、恩義ある紫苑のために危険な後宮へ乗り込んで、紫苑を殺害した犯人を命がけで突き止めようとしたことです。また、紫苑の母、愛月への娘に対する無関心から自分が偽物であることにすら気づかないことに紫苑を想って憤っていることにも感銘を受けました。愛月が紫苑を冷遇し美美を愛した理由は、花婿たちに対する主人公のように、別の視点をもたらし支えてくれる人がいたら変わったかなとも思いましたが、いずれにしても身勝手です。美美に対しても悪行が冒頭示され、既に故人という扱いですが、生まれから死んだ後の扱いまで、愛月の身勝手に振り回され気の毒に感じました。