あらすじ
実体経済を犠牲にして金融市場にカネを注ぎこむ金融エリートたち。彼らが世界にもたらした「永続的なゆがみ」の恐怖とは。「メガリッチ」と「その他労働者」に二極化した経済の行方は。ウォール街を知り尽くしたジャーナリストによる警世の書。解説/藻谷浩介
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Posted by ブクログ
原著は 2022年、邦訳は 2024年の出版。原題は permanent distortion (永遠の捻れ)で、いわゆるウォールストリートとメインストリート(実態経済)の捻れを分析する。
2008年のリーマンショックに端を発っする世界大恐慌に対して、世界の中央銀行は金融緩和という緊急対策で対応した。しかし、この緊急対策は巻き戻されることなく恒常化し、しかも 2021年のパンデミック期において再び拡大せざるを得なかった。金融緩和は「市場」を刺激するには有効だったが、メインストリートまでは行き渡らず、結果として持つ者と持たざる者の格差は拡大し、しかもこの傾向は permanent だと指摘する。この金融緩和を「現代のポンジスキーム」と喝破し、仮想通貨の勃興と絡めて破綻を予言する。
解説は完全に蛇足で、このページだけ破って捨てたい。