あらすじ
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ダイナミックな時代を生きた、中世軍隊の実像に迫る!・騎士とはどのような立場だったのか? 騎士になる方法は?・中世の軍隊はどのような組織系統だったのか、1つの隊にはどのような人が属していたのか?・血の輸出とまで言われた、金で雇われる軍隊=傭兵の真実の姿とは?・兵として家臣を動員できるのは40日が限度。それ以上は農地を空けられない……・身を守るための鎧や甲冑、盾などの時代ごとの変遷・騎士の「戦友」馬の活用法と防具・剣や棍棒、戦斧、槍、竿状武器などの接近戦用武器から、弓やクロスボウ、銃、大砲などの飛び道具まで、武器の種類と使い方、構造の図解・約20の攻防戦の結末と勝利への鍵。各隊の動きこれらをイラストでわかりやすく解説! 歴史好きの方にはもちろん、創作や、TRPGなどのゲームのための参考資料としてもおすすめです。
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Posted by ブクログ
マール社というと個人的には名著『武器』が即座に脳裏に浮かぶ。
『武器』の頃から更新された知識はいくつもあるが、本書においてはコート・オブ・プレーツ、カルトロップ(まきびし)が印象的だった。特に前者はミッシングリンク感がある。
ニッチな知識の流布にはおそらくインターネットが大きく関わっており、現地から発信される情報を労少なくして遠隔地で獲得できるようになったことがあげられる。
前世紀、この界隈では西洋武器術には流派がない、あるいは現存していないなどと言われていたことが確かにあり、フェンシングってなんじゃろと思いながらその言説を聞いていた。証拠が見つからないから実在しなかったというのはまま見かける暴論であるが、まあ、ないわけないよね。
まきびしみたいなものは西洋にはなかったのかなとかねてから思っていたが、『武器』を読んだ頃には見つけられなかった。やっぱりあった。紀元前にはすでに鉄製のものが作られていたというのは驚かされる。
本書は戦術の歴史も扱っており、戦術の背景には軍事力を擁する権力の事情が関わってくる。地域によって事情は異なるわけで、『帝国の構造』が唱える事象の単純なモデル化はいささか乱暴なのではないかと覚える。学術の歴史とかも加味すると、なおさらに。
TRPGをやっていたころはヨーロッパ風ファンタジーに関する知識を積極的に求めていて、武具などもそこに含まれていた。TRPGをやめてしまってから、少なからぬ興味が喪失してしまったと感じていて、興味がいかにTRPGに紐づいていたのかと我がことながら驚かされる。
それは、知識の収集に収束したのかな、とも思う。