【感想・ネタバレ】君主論のレビュー

あらすじ

ルネサンス期イタリアの政治的混乱を辛くも生きたマキアヴェッリ(1469-1527)は外交軍事の実経験と思索のすべてを傾けて、君主たるものが権力をいかに維持・伸長すべきかを説いた。人間と組織に切りこむその犀利な観察と分析は今日なお恐るべき有効性を保っている。カゼッラ版を基に諸本を参照し、厳しい原典批判をへた画期的な新訳。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

イタリア、ルネサンス期の政治思想家で、
29歳で外交官に就任し、様々な国王と交渉を重ねる中で、
43歳の時に国家の在り方や、強い君主について説いた本が君主論。

強い君主の条件
1.恐れられること
2.憎まれないこと
3.軽蔑されないこと
4.尊敬されること
5.ケチであること

ケチであることがなぜ必要か。
これは、何でもかんでも気前よく散財するな、と言う意味。
評判や信頼のために気前よく与え続けると、必ず資産や富を使い果たし、いずれ国家存続のために重税など、結果的に民にも負担を強いることとなる。
すると、尊厳を失う。

「君主は、たとえ愛されなくてもいいが、人から恨みを受けることがなく、しかも恐れられる存在でなければならない」(17章)

「加害行為は、一気にやってしまわなくてはならない。恩恵は、よりよく人に味わってもらうように,小出しにやらなくてはいけない」(第8章)
「君主は恩恵を与える役はすすんで引き受け,憎まれ役は他人に請け負わせればいいということだ。」(19章)
→人のもの(金、恋人・家族、地位など)に手を出すと憎まれる。憎まれ役(会社なら、減給やリストラなど)は誰かに請け負わせた方が得策。


「君主は,戦いに勝ち,ひたすら国を維持してほしい。そうすれば,彼のとった手段は,必ずやりっぱと評価され、誰からもほめそやされる.大衆はつねに,外見だけを見て,また出来事の結果で判断してしまうものだ。」(18章)
→表面的に良いことや、結果の伴わない愛情、道徳的なことだけでは長く続かない。
勝つこと、結果を出すことが最重要で、厳しいこと、残忍なことなしに結果を出すことが難しい場合は、悪評を気にしてはいけない。

「人間とは利己的で偽善的なものであり従順であっても利益がなくなれば反逆してしまう一方で、君主を恐れる人々にはそのようなことはない。君主にとって信義は、間違いなく重大。しかし、実際には信義を気にせず、謀略によって大事業をなしとげた君主のほうが信義ある君主よりも優勢である場合が見受けられる。戦いには謀略によるものと武力によるものがあるがこの二つを君主は使い分けなければならない。もしも信義を守った結果、損害が出るならば、信義を守る必要は一切ない。重要なのは君主が立派な気質を備えているという事実ではなく、立派な気質を備えているという評価を持たせること。」

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2023年04月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

著者以前の時代に生きた人物の事例を挙げつつ、君主としていかに振舞うべきか説得的に説いた名著。

【気になった諸点の抜粋】
●いかなる君主においても民衆を味方につけておくのが必要である。…賢明な君主は、いついかなる状況の中でも、自分の市民たちが政権と彼のことを必要とするための方法を、考えておかねばならない。
●持つべき土台の基本とは、良き法律と良き軍備である。軍備は自己の軍が最善。傭兵軍と援軍は役に立たず危険。君主ならば自ら陣頭に立って指揮官の役割を果たさなければならない。
●武装した君主と武装した共和制体だけがきわめて大きな進歩を遂げた。
●なすべきことを重んじ今なされていることを軽んずるは破滅を学んでいる。
●慕われないまでも、憎まれることを避けながら、恐れられる存在を目指すべき。
●同盟は全て疑わしいと考えるべき。
●数々の不都合の特質をよく見分け、最悪でないものを良策として選び取ること。
●側近が有能かつ主君に忠実であるとき、その君主もまた有能であると見なして良い。

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2021年02月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 君主を社長に読みかえて読んでみた。君主論は上に立つ人にとっていい本だと思うけど部下にこれを薦めたいとは思わない。

君主がみずからの地位を保持したければ、善からぬ者にもなり得るわざを身につけ、必要に応じてそれを使ったり使わなかったりすることだ。
→手を汚すことも必要だと解釈した。ただこれはやりたくはない。

気前の良さとけちについて
→権力の座に着くまでは他人の所有物を惜しみなく与える者との評判を取るように行動し、権力の座に着いたら倹約を旨とし自分のものや社内のものを大事にしなければならない。

冷酷と慈悲について
→性悪説に立つべき。慕われるより恐れられよう。人間は恩恵を施している間だけ味方になっているから。全幅の信頼を寄せるな。

どのようにして信義を守るべきか
→慈悲深く、信義を守り、人間的で、誠実で、信心深くといった資質を身につけて離れない。が、必要たあらば狐となって罠を悟り、獅子となって狼を驚かす。

どのようにして軽蔑と憎悪を逃れるべきか
→憎悪は強欲になって社員の給料を減らしたり名誉を傷つけることで生まれる。軽蔑を招くのは優柔不断な態度である。


運命はどれほどの力を持つか。私たちの諸行為の半ばまでを運命の女神が勝手に支配しているのは真実だとしても、残る半ばの支配は、あるいはほぼそれぐらいまでの支配は、彼女が私たちに任せているのも真実である。
→運命に全面的に任せてはいけない。時代に自分の行動を合わせることで幸運な結果を導くことができる。

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2021年11月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

慕われるより恐れられろ
狐の狡猾さと獅子の強さ
慈悲深そうな外見と冷酷な内面
憎悪と軽蔑だけは避けろ
時代は変わる、お前も変われ
運命は女、女にするみたいに叩いてモノにしろ

↑背景
ボロボロのイタリア(当時)には新しい君主が必要
こんな君主だったらいいね(ただし現実的)の話

『ローマ史論』を書いてるだけあって、当時のヨーロッパ情勢(特にイタリア)や歴史についての情報が多数引用されている

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2026年02月19日

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