あらすじ
“悟り”ではなく“救い”の道を――。仏教のベクトルに大転換をもたらし、多くの支持を得た日本浄土仏教は、いかにして生まれたのか。念仏を選択し、凡人が救われる道を切り拓いた法然。「その念仏は本物か」と問い続け、「悪人」のための仏道を説いた親鸞。「捨てる・任せる」を徹底し、遊行の境地に達した一遍。浄土宗・真宗・時宗の三祖を比較し、それぞれの「信心」に迫る。法然と親鸞が一遍でわかる、究極の一冊!
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Posted by ブクログ
比較を通じて法然・親鸞・一遍という浄土仏教の三祖を学べる本。
タイトルの三者を比較するというだけではなく、他の仏教徒を持ち出して比較しているところも多い。たとえば、法然を痛烈に批判した明恵、親鸞が曇鸞に傾倒したこと、など。こういうのはなかなか勉強できない点なので、参考になった。
法然はそれまでの仏教を脱構築して「二項対立による選択の論理」にとらえなおしたこと、親鸞の改読、一遍は、法然による仏教の「二項対立への組み換え」を中空化・同一化へ回帰させた、などそのほかの点でも勉強になったことが多かった。
現社の授業で話す余裕がないのが惜しい。