あらすじ
完璧主義とは、ひとつの経済システムが生みだした、人間ががむしゃらに限界を超えようとする心理である。本書では、この考えを基に、完璧主義とはどういうものか、それが人間にどのような影響を及ぼすのか、それがいかに急激に増えているか、なぜ増えているのか、そこから逃れるにはどうすればいいのか、解説する。/うつ病、不安障害、強い絶望感――精神的苦痛の奥には完璧主義が潜んでいる。専門家による研究の最前線と集大成。
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Posted by ブクログ
最近AIに「私の思考のクセって何?」って聞いてみたら、「完璧主義の傾向があります」とのこと。そんな時に見かけて思わず手に取った本。
完璧主義
自分が欠けているせいで愛されない、欠けているせいで他者から軽視されるという思い込み、不安からくる。
完璧は測定できない。主観的。
なので、常に自分が欠けているという劣等感。
成功を喜べない。満たされない。
完璧主義は、世界の捉え方。自分ではなく、他者から期待されていると感じる基準。
結論、現在の社会、文化が私たちを完璧主義に仕向けている。だから社会を変えなければ、みたいな話でその点では救いがなさそうな感じ。
ただ、自分を苦しめているものが何か(社会、文化の仕組み)を知ることで、完璧さへの執着が自分のせいではないと分かる、だから知識をつけよう、というのは良かったかも。
その完璧さは何のため?誰のため?って立ち止まってみたいと思ったり。
あと、子どもたちには以下
親は無条件に子どもを愛することで、社会や文化が教えてくれない「失敗は誰にでもあること」「失敗を恐れなくていいこと」を伝えられる。
以下メモ
・1990年から2020年の調査で、完璧主義の傾向、特に社会規定型、の人数は指数関数的に増加している。
・良い完璧主義(モチベーションの源泉)はありえない。成果につながらず、ただ無駄に頑張っているだけの人。最初はパフォーマンスが高いが、徐々に頭打ち、低減。
・一卵性双生児は同じ家庭で育っても、別々の家庭で育っても成長したときの正確にさほど違いはない。『子育ての大誤解〔新版〕――重要なのは親じゃない(ジュディス・リッチ・ハリス)』子どもの性格は遺伝子と文化があいまって形成される。
・完璧主義を生む社会、文化
SNS、親の期待、能力主義、仕事
(完璧主義の種類)
・自己志向型:自分に向ける、きわめて高い基準を自分に課す
・他者志向型:他者に向ける、他者に非現実的な基準を課す
・社会規定型:自分への評価を推測する、まわりが完璧さを求めていると推測する
・インスタグラムだけを責められない。サプライ経済のビジネスモデルにそって、私たちに消費を続けさせる。仮にインスタがなくなったとしても、経済は他の手段で私たちの不安を煽り、消費を促す。
・これからの経済:「成長」への依存を減らす
ドーナツ経済、GDP以外の指標、ベーシックインカム
・あなたには美しく不完全な自分と、美しく不完全なこの地球を愛し、その中で満たされた心とともに生きる権利がある。
・完璧(パーフェクト)ではなく、エクセレンスを目指す
Posted by ブクログ
完璧などありえない。にもかかわらず完璧を志向し、完璧になれない自分を責め続けていては、心がもたない。だから完璧主義者の心は折れやすい。最初は努力できても、失敗すると、無意識に労力を減らしたり、先延ばししたりする。つまり完璧から遠ざかる行動をとってしまう。そしてまた自責する。
つい最近、ある仕事をとても頑張った。完璧主義的だった。周りの同僚たちが、自分を大いに称賛することを夢想した。しかし実際にはそう上手くいかず、しぶしぶ提出した仕事に対して、いくつかの修正依頼が出た。しばらく経つが、私はまだその修正をせず、他の仕事を優先させている。まさしく先延ばしていることに、この本を読みながら気づいた。
過去に何度同じことを繰り返したように思う。週末に缶詰で勉強しようと意気込んだものの、結局は1分も勉強していない、なんてこともあった。5分でも勉強していれば、完璧に少しは近づいただろうに。
実際に研究では、完璧主義と仕事や学業のパフォーマンスの間の相関が、とても低いことが分かっている。
にもかかわらず、世間が完璧主義者を称賛するのは、「成功者バイアス」である。たしかに成功した著名人はいるが、その裏側に多くの成功していない人がいる。また我々の激しい競争の経済システムが、我々に完璧の仮面を被ることを強制している。
完璧主義には、「他者との関わり」という側面がある。完璧主義者と求道者の違いはここにある。私の場合は、「他者より優れていたい」という欲求がとても強い。身近に自分よりも成功している人がいると、自分が欠陥品のように思えてくる。求道者であれば、このような思考にはならないだろう。