あらすじ
1929年に発生した世界恐慌は、安定しつつあった世界経済を奈落の底へ落とした。恐慌に対応するため各国が実施したのが「ブロック経済」であった。一体「ブロック経済」にはどのような効果があったのか、どのような結果をもたらしたのか。第二次世界大戦へつながる「ブロック経済」の実態を明らかにする。
本書は、まず「ブロック経済」の大きな理由となった世界恐慌の背景をみるために、国際金本位制に支えられた19世紀の自由主義的な世界経済が、第一次世界大戦を経てどのように変容し、大戦後はどのように再建が試みられたのかを解説する。そして、世界恐慌の要因、世界へと波及した過程を詳細に論じる。
その結果として現れた「ブロック経済」については、スターリング・ブロックや金ブロックなど、各「ブロック」がどのように形成され、展開したのか、その実態を丁寧に紹介する。ドイツや日本の「ブロック化」の動きについても取り上げ、「ブロック化」が戦争の原因だといえるのかについても検討する。
対立と分断が深まる今日の国際情勢を前に、改めて世界恐慌と「ブロック経済」を検証する。
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Posted by ブクログ
山川出版から出ているように、世界恐慌-第二次世界大戦前の約10年程度の期間、英米仏、枢軸国のブロック化とその背景、データと分析を示したもの。
貿易と通貨のブロックは重複はあるが必ずしも同じではなく特に金ホンイツ性を保ち続けたブロック(ベルギーフランスオランダスイス)は通貨のみのブロックで貿易面の取り決めはなかったので貿易の促進は見られず。
世界恐慌の対応としてブロック化が進んだが、枢軸国側はイデオロギー的な側面も強く、ドイツはアウタルキー(自給自足)と東方での生存圏獲という目的があり、大東亜共栄圏は満蒙が日本の生命線という意識でさらに南方へエネルギーを確保しに行った(がそれを補う補給路の確保が至らなかった)。こういった持たざる者の願望を戦略と取り違えてしまったことは経済的には厳しい状況に追い込まれることになる。