あらすじ
昭和の色街を舞台した愛と業の人間ドラマ
昭和初期ーー日本のとある色街には苛烈に、健気に、強かに生きる様々な人々が生き抜いていた。
千種は大好きな人への気持ちを昇華する為に。
有加里は身を削って病気の家族を生かす為に。
翠蓮は自分の命よりも大事な人の未来の為に。
これは、この世界で咲き誇った彼女達の物語。
【描き下ろし漫画を収録】
舞台は大正~昭和初期の私娼街。
親に売られて娼婦となった女、親から逃れるために娼婦となった女、そこでしか生き方を知らない女…。
様々な境遇の女がそれぞれの事情を抱え生きていますが、そこに悲壮感はありません。
ワケはありつつも、ただ憐れまれるだけの存在ではないのです。
1話目に登場する檜乃葉も、家のために売られ娼婦となった女性。
しかも斡旋したのは好きだった男性 清太郎。
さらに清太郎は娼婦となった檜乃葉の客となります。
何故そんな関係になったかと言えば、家族のためお金のため…複雑な事情が絡まります。
それだけ聞くとあまりの不遇さに憐れに思われるかもしれません。
しかし檜乃葉はそんな状況でも悲恋に涙するような弱い人間ではありません。
己の手で幸せを掴みとるために行動できる強さを持っているのです。
ゲスになりきれない男と、力ずくで未来を切り開く女の行く末とは…。
他に登場するどの女性も艶やかさや翳りが印象的ではあります。
ですが、自身の足でしっかりと立ち、己の力で生きる様には力強さを感じます。
1巻には主に4人の娼婦が登場しますが、それぞれのエピソードを描きつつも次第に物語がひとつにまとまっていく展開に鳥肌が立ちました。
彼女たちの生き様をとくとご覧あれ!
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