【感想・ネタバレ】ウィトゲンシュタイン『哲学探究』入門のレビュー

あらすじ


後期ウィトゲンシュタインの代表作『哲学探究』をわかりやすく読み解く



『哲学探究』を、ひとりでよんでいくのはとても骨がおれる。最初は、とにかく何をいっているのか、さっぱりわからない。何が問題になっているのかが、そもそもわからないのだ。(中略)この哲学者の思考の癖のようなもの、かれ特有の考え方は、わかっているつもりだ。それを読者のみなさんに経験してもらうのが、本書のねらいだといっていい。

『哲学探究』という本は、そこにかかれている体系や情報を手にするといったやり方からは、もっとも遠い本だ。ウィトゲンシュタインの思考の運動を体験するためだけの本なのである。(「はじめに」より)




(目次)


第1章 語の意味とは何か

(語の種類/第1節, 建築家と助手第2節 ほか)


第2章 言語ゲーム

(Sprachspiel/第7節、言語ゲームの拡張/第8節 ほか)


第3章 語の意味とは、その使用である

(語の意味/第38節/第40節/第43節、家族的類似/第65節/第66節/第67節/第69節/第70節/第71節)


第4章 私的言語

(ひとりごとしかいわない人たち/第243節、痛み/第244節 ほか)

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

言葉について。語の意味に対する態度として、考えるのではなく見ることが大事。考えるというのは数学の問題を解くようにある結果を目指すことであり、見ることというのはただ見ているだけ。言葉の意味を理解するには、言葉のシャワーを浴びろという認識をした。

0
2020年01月27日

Posted by ブクログ

ウィトゲンシュタインは、難解な哲学者である。

が、難解さが、他の哲学者とちょっとちがう。
そもそも、何を問題にしているのか、すら分からないのだ。

それでも、「論理哲学論考」は、まだ、言わんとすることは、なんとなく分かる。
とくに、最後のほうの結論部分は、衝撃的で、「お〜、かっちょいい!」と思う。
どうしてそういうことになるのかという道筋は分からないのだが、結論は分かる。

で、結論にもとづくと、これまでの哲学の諸問題は最終的な解決(?)を得て、もうこれ以上、哲学は必要なくなる。というわけでウィトゲンシュタインは、哲学者をやめて、ひっそりと暮らすことになる。

が、「論考」が最終解答になっていないことに気づき、再び、哲学に復帰し、いろいろ思索した結果をまとめたのが「哲学探究」である。

これが、見事になにいっているのか、見当もつかない本である。その難解さは、「論考」の難解さとはちょっとニュアンスが違う。書いてある一つ一つは読めるし、一応、意味が通じる。ある意味、日常的な文章に近いとさえ言える。が、文章が一つ一つがつながってパラグラフになり、本になっていくと、どんどん意味が分からなくなる。ある一つのパラグラフも、ウィトゲンシュタインの主張なのか、反論しようとしている考えなのかすら、分からない。

というわけで、気になりつつ、手のつけようがなかった「哲学探究」だったのだが、数年前に、どうしたことか、「あれっ?」という感じで、文章が意味をなし始めて、分からないなりに、一通り、読めてしまうということがおきてしまった。

で、この「入門」を読んでみたんだけど、かなり「なるほど」「なるほど」とさらに意味がつながり始めている。なんとなく、全体の見通しがついて来た気がする。

これって、なんかすごいことだと思う。

ウィトゲンシュタインって、難しげな哲学用語、概念をつかわずに、日常の言葉をつかって、自分の頭で、徹底的に考えようとした人なんだな。だれもが問題にしないほと、当たり前としていることを、本当に具体的にそうなのかということを徹底的に考えた。他の哲学者が以前に考えたようなことは全部無視して、自分で一つ一つ考えていたんだね。

だから、ウィトゲンシュタインの難解さは、他の哲学者の議論をバックグラウンドとして知らないから、というのでは全くない。自分の頭で徹底的に最初から考えていることから出てくる難解さ。そして、自分の頭とウィトゲンシュタインの頭は考え方のくせが大きく違うので、彼が一生懸命考えていることをトレースするのは困難を極めるんだよね。

「哲学探究」

私が読んだ全集版以外にも翻訳がでているので、もう一度、チャレンジしてみよう。

0
2017年04月30日

Posted by ブクログ

難しいが、哲学と言語学の知識が少しあれば、何とかついていけるかも。赤ちゃんの言語習得に関する知識があればなおいいかも

0
2023年06月15日

「学術・語学」ランキング