【感想・ネタバレ】教養としての「税金」のレビュー

あらすじ

◆税金の全体を幅広くカバーした「税金の百科事典」
所得税、法人税、消費税、相続税などの「国税」と、住民税、事業税、固定資産税、不動産取得税のような都道府県や市町村などの地域の自治体に支払う「地方税」を網羅して、税金の「全体像」と「読み解き方」を解説するような本は、あまりみかけません。

既存の類書は「賢く節税するための実用書」と「目的をもって学ぶための専門書」の2つに分けられ、それらには主要な税金しか登場しないのが実際です。しかし、森林環境税のように国税にもさまざまな税金がありますし、宿泊税のように地方税でも地域でオリジナルの法定外税が創意工夫によりつくられています。

こうした税金の全体を広くカバーしようとした「税金大全」あるいは「税金の百科事典」のような欲張りな入門書が、本書です。

◆知識ゼロでも国民目線でみた税金のことが基本からわかる入門書
前半の“総論”では、「税金とは、どのようなものか?」「税金には、どのような種類があるのか?」など、税金を支払う国民の立場からみた税金の全体像、基本的な計算方法、読み解き方について専門用語をできる限り使わずにわかりやすい言葉で解説しています。

後半の“各論”では、所得税や消費税といったメジャーな税金だけでなく、事業税、固定資産税、印紙税、住民税、たばこ税など、現在ある国税と地方税を余すことなく、所得に対する税金、資産に対する税金、消費に対する税金の3つにざっくり分類して解説しています。また最後には、森林環境税などの「あたらしい税金」と「なくなった税金」についても触れられています。

税金や法律についての基本的な知識がない初学者でも、すらすらと読み進めることができ、豆知識的に多くの種類の税金知識を得ることができます。

◆各税金の税率、税収ランキング、創設年などリサーチ情報も充実!
加えて、各税金の概要や税率のほかに、税収ランキング、根拠法令、創設年などのさまざまなリサーチ情報も盛り込まれています。そのため、税金のことをそれなりに知っている方や大学で学んだことがある方でも満足できる豊富な情報量となっています。

本書を通読すれば、それぞれの立場や社会のあり方から税制について議論できる「教養」を身につけることができます。

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Posted by ブクログ

税金って難しくてよく分からないという印象でしたが、なぜできたのか・何に払うのか・何に使われるのかなど分かりやすく幅広く解説されていて身近に感じられるようになりました。

特に消費税は全て国税になると思っていましたが、地方にも納税されていたんだと初めて知りました。

現在選挙でも税金が取り上げられているので、税金を学んでいなかった頃より理解度が上がり良かったです。

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2025年07月16日

Posted by ブクログ

 身近でありながら詳細がよく分からない、調べても判然としない、そもそも読み方が分からない。税金に対しては何度も理解を試みて失敗した自分はそのような感想を今まで抱いていた。
 一般に、税金関係の入門書はとにかく最後まで通読しても何も記憶に残らないことが多く、かけた時間に対しての学習効率も興味を書き立てられることもなかったが、本書はまさに「教養」とも言うべき税に関するエッセンスが読みやすい文体で凝縮されている。
 最大の読み処は前半の税金についての総論部分である。国税や地方税を読者に寄り添った噛み砕いた説明で、頭のなかに一貫した理論が作られていくことを実感でき、バラバラだった税金の知識がまとまっていく知的快感を味わえる。私事ではあるが、税金関係の本で、ここまで知的興奮を感じたのは初めてのことであった。
 税金について、苦手意識がある方にこそ読んでほしい傑作であることに疑いはない。

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2025年06月18日

Posted by ブクログ

税金の3要素
公平・中立・簡素

はたして公平だろうか、中立ってなんだろう、
ちっとも簡素じゃないし。

国の財政で、税金が絶対必要であり、
そのおかげで、助かっている国民はたくさんいる。
だけど、格差社会の中、税金を払えないほど困窮している人もたくさんいる。

事業を始めてから、簿記や税金のことをずいぶん勉強をした。
確定申告をして初めて関心を持てた。
生活に本当は密接している税金のことを、
これから社会に出る若者や高校生などに、
基礎知識として、教養として身に着けることは、
ある意味、自分の生活を守るために必要だと思う。
この本がその一冊になると思う。

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2024年11月09日

Posted by ブクログ

「税金は理屈で作られる」というのが本書の至言。で、この話を聞くとネットのミームというか、有名なコピペで、働いたら罰金(所得税)、買ったら罰金(消費税)、持ったら罰金(固定資産税)、 住んだら罰金(住民税)、飲んだら罰金(酒税)、乗ったら罰金(自動車税・ガソリン税)、起業したら罰金(法人税)、死んだら罰金(相続税)、貰ったら罰金(贈与税)・・みたいな秀逸な皮肉を思い出す。

これを本書では、もう少し正式な言い方で、マンションを売って、値上がり益を得たから「所得がある」という理屈(所得税)、マンションという「不動産を取得した」という理屈(不動産取得税)、マンションという不動産の所有権の「登記をした」という理屈(登録免許税)、マンションという不動産である「固定資産を所有している」という理屈(固定資産税)、不動産の売り買いという高額な「契約書を作成した」という理屈(印紙税)・・という説明となっている。

税金の「対象」になるものは、大きく分けて3つ。①所得、②資産、③消費の3つとか、税金の上位は1位消費税(23・8兆円)、2位所得税(17・9兆円)、3位法人税(17・0兆円)とか。相続税は、1905(明治38)年に日露戦争の戦費を調達するためにつくられた税金だとか。

前半はこんな感じでタメになる内容だったが、後半は淡々と税金の費目別内容を掲載していってページを費やしていく感じで、その部分は残念ながら面白みはない。

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2025年11月20日

Posted by ブクログ

全部は読んでいないが、税金の概要は理解できる本。項目が多くある程度理解したいという気持ちだと全てを読みたいという気にはならないが、ある一部を参照したいなどは容易に想像できる(例えば不動産購入を考えているときなど)ので、辞書的に使うのが良さそう。

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2025年01月05日

Posted by ブクログ

読みやすい税に関する全体感を掴める書。
消費税、所得税、法人税の日本の税の三本柱のほか、直間や法定税、法定外税の別、普通税や目的税などなんとなく知っていればそれらしくなれる内容が満載。

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2024年12月03日

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