【感想・ネタバレ】ヴァイパーズ・ドリームのレビュー

あらすじ

Jazz漫画の金字塔「BLUE GIANT MOMENTUM」原作者・NUMBER 8氏推薦!
「行間から聴こえるジャズが、激烈な闇を鼓舞する。」


英国推理作家協会 2024年度最優秀歴史ミステリー賞(ヒストリカル・ダガー)受賞作。

「本作は読む者を虜にさせる真のジャズ・ノワールである。」
──デイヴィッド・ピース


1961年、ニューヨーク。ジャズ全盛のハーレムで最も怖れられる麻薬密売人クライドはその日、自身が犯した殺人を後悔していた。殺しは今夜で3度目だが、悔いたのははじめてだった。自責の念に沈むさなか、ジャズ界の庇護者パノニカから「3つの願い」を訊かれ、因縁を探る彼の思索は遠い過去へと跳ぶ。1936年にトランペッターを志し田舎からひとり大都会に出てきてからの日々、そして愛する歌姫に出会ってからの日々へと……。

1930年代から60年代、マイルス・デイヴィス、チャーリー・パーカー、セロニアス・モンクが活躍したあの激動の時代を、ハメットの衣鉢を継ぐ文体で描ききる、虚実混交のノワール。〈解説・霜月蒼〉

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Posted by ブクログ

ネタバレ

煌びやかなクラブ、音楽と酒、マリファナが飛び交う1930〜60年代の狂騒のアメリカはニューヨークが舞台。
裏であって裏でないぐらいにはびこる麻薬ビジネス。どこもかしこも、誰も彼もが退廃的に暮らしているように見えるが、そこにはあちら側に行ってしまう者とこちら側に踏みとどまる者のうっすらとした線引きがある。
もうばりばりのジェイムズ・エルロイの世界観。

冒頭、主人公クライド・″ヴァイパー″・モートンは、人生で3人目の殺人を犯してしまったことを読者へ告げるシーンで始まる。
素知らぬふりをして顔見知りの警官に通報を入れるも、酌量の余地は与えられず、3時間以内に街を出ろと言われるが、反するように馴染みの店へ向かう。
そこで女主人から興味本位で問われる「もし3つの願いがすぐに叶えられるとしたら?」
その問いを起点に自身の過ぎし日々を振り返り、如何にして今に至るかを辿る物語。

倒叙形式の物語にはしばしば出会うが、この手のノワールでは中々ない気がする。
過去と現在を行きつ戻りつするカットバックの塩梅が絶妙で惚れ惚れする。

短いのに濃い。
本来なら薄っぺらいエピソードの積み重ねに感じてもおかしくないくらいの分量なのにそこに漂う哀愁感が惹きつける。

てっきりちょい昔作品の発掘的翻訳かと思いきや、割と最近の作品の模様。
しかも著者はフランスに移住してそこで作家活動をしているとか。
てことはフランス国内での出版なのかな。めっちゃアメリカンノワールなのに。

ジャズとか知っていればもっとぐっと来るんだろうな。往年の名曲やレジェンド達が実名登場しているようだ。
それが楽しめないもどかしさを割り引いても十分に面白かった。

このミス2026年度版海外編10位。

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2026年01月03日

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