【感想・ネタバレ】メメントラブドールのレビュー

あらすじ

私には幾つか顔がある。裏アカ男子、男の娘キャスト、院卒若手正社員――ペルソナたちがハレーションする新宿区在住20代♂の令和五年。第40回太宰治賞受賞。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

うたちょのあの感じ凄くシンパシー止められなかった。自他への冷笑が止まらなくて、自分を見下してくる人に何らかの理由を付けてこっちが見下して、そうやってギリギリのとこで踏ん張っている感じ。
特に笹井が弱みに付け込んでセクハラしてくるとこはゲボりそうになりながらも頷きながら読んだ。心の中は毒づきまくりなのに、実際に相手には言葉にすら出せなくて怯えるしか無い弱さとかわかる、、、
事件は起こらなくとも精神蝕むような地味にしんどくなってくる描写が割とあったのに、痛快な読み応えがあったのはギャオさんのバイブスが大好みだったからだろうな。まじ読んで良かった。
超大好き♡

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2024年11月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

161枚
Sierとして働きながらノンケ喰いと男の娘コンカフェで働く20代。その生活どれもが崩れていく。
備忘:「これだけ何もかもに噛みついておいて、最終的には誰かとの出会いなのか、という結末は文体に反してクラシックですらありますが」(by津村さん)
それぞれのキャラの独立、という各委員のコメントは確かにその通り。
既存のカタルシス、感慨とかテーマみたいなものがなくて感想が思いつきにくい。最後にノンケとして出会ったはずの男にゲイフラグが立って終わる。
もっと色々やってるのにぜんぶ無気力で流されてしまう主人公、とか、アイデンティティの模索、とかだったら新文化混ぜこぜ、ぽく読めなかったのかもしれないけど所々は意思があってどう読めばいいかわからないまま終わる。

描写はエロくないけどSNSでエロ広告見たようなしんどさ、最近のジェンダー文化のしんどさやあれこれぜんぶ乗せ、みたいなしんどさ。
表現はすごいところが多々あるから、この人の歳とったときの小説を読みたい。

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2025年11月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んでいる間どこか興奮する気持ちと、主人公が周囲から向けられる悪意や蔑みに実は傷ついているところに憐れさを感じる気持ちが続く。最終ページまでずっと。

「男の娘」が働くコンカフェで、化粧も可愛らしい服装もせずに働いている「うたちゃん」と会社でうだつの上がらない忠岡柊太が、別人のようであれば、フィクション要素が強いのだが、彼は明らかに同一人物で、周囲への態度を変えている訳ではない。(ノンケ喰いのときだけは、多少声が高くなるけれど。)そんなせいか、忠岡が現在、どこかに生息しているのではないかと錯覚を覚えた。
忠岡がノンケをしゃぶる動画を挙げているのは、何でだったのだろう。自分の動画の人気を上げるためではないだろうし。いつか現実に自分を知っている人間にバレて傷つきたかったように私には思える。

マチアプでノンケを捕まえて喰うエロ小説かと思って読んだが、読み終えてみると感想を書くのが難しい。もはやエロと言うより、人間ドラマだった。

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2024年12月17日

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