あらすじ
私には幾つか顔がある。裏アカ男子、男の娘キャスト、院卒若手正社員――ペルソナたちがハレーションする新宿区在住20代♂の令和五年。第40回太宰治賞受賞。
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Tinderの解像度が高い!
Tinderの搾取する側はこういう視点なのか、新しい!と思ったところ、別の場所では搾取される側だったりして、その移り変わりが面白かった。
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サラリーマン、コンカフェ店員、マッチングアプリ、たくさんの顔を持つ忠岡。忠岡を自分に置き換えることは考え難いが、自分は様々なジャンルの本を読むことで現実逃避している機雷がある。異世界での仮面があるからこそ忠岡も、一般的な日常を送れているということかと想像した。
異世界にそれぞれ存在する忠岡は、どれも同じ忠岡には違いないが、世界を繋げると忠岡ではいられなくなってしまいそうだ。ペルソナは、あまり良いイメージがなかったが、自らを保つうえで必要だし、剥がさなくてよいものなのかもしれない。
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うたちょのあの感じ凄くシンパシー止められなかった。自他への冷笑が止まらなくて、自分を見下してくる人に何らかの理由を付けてこっちが見下して、そうやってギリギリのとこで踏ん張っている感じ。
特に笹井が弱みに付け込んでセクハラしてくるとこはゲボりそうになりながらも頷きながら読んだ。心の中は毒づきまくりなのに、実際に相手には言葉にすら出せなくて怯えるしか無い弱さとかわかる、、、
事件は起こらなくとも精神蝕むような地味にしんどくなってくる描写が割とあったのに、痛快な読み応えがあったのはギャオさんのバイブスが大好みだったからだろうな。まじ読んで良かった。
超大好き♡
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鬱々とした内容であるものの、テンポがとても良く読みやすいです。最近、主人公と同じような価値観で生きているので、勝手に仲間意識を持ちながら楽しく読めました。
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溺れるくらいのネットスラングや略語は調べながら読んだ。
私の周りにはノーマル(表現が正しいか不明)の人しかいないのに、何故か登場人物を身近に感じるような人間味のある本で良かった。
読みやすい。
人間の裏をちょっとのぞいた感じが好き。
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面白い本だった。
Sler とかTeamsとかノンケやTwitterの裏垢の雰囲気がすごいリアリティがあることに最初に惹かれた。一方で今っぽいフレーズを使っているだけの本かと思っていたが、読み進めていくうちにどうしょうもない人の、どうしょもなさが、自身のどうしょうもない生活にヒビを入れていく様が痛々しく、感情が揺さぶられた。キワモノ小説のようでこういう感情の揺れを味わいたくて、小説を読むんだよなと思い出させてくれる本だった.
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令和のラブストーリーはこんな感じか。
受け入れられたいけど、怖くてたまらない感。なんか、幸せになれるといいよね。と最後思った。
チー牛はわかったけど、わからんネットスラング検索してしまった。若さを感じる作品だったけど、平成でダサくてごめん、てのが溢れてて、そういうもんか、と思った。
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スピード感と読み応えのすごさに圧倒されながら、一気読み。普段あまり読まない感じの本で最後まで読みきれるかな?と思ってたけど、ページをめくるごとにぐいぐい引き込まれていった。
「私」が一歩ひいた感じで物事をみている様子や会社でのやりとりに共感しつつ、わからない言葉は調べながら読むのも新鮮で楽しかった。
続きがあれば読んでみたい。
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161枚
Sierとして働きながらノンケ喰いと男の娘コンカフェで働く20代。その生活どれもが崩れていく。
備忘:「これだけ何もかもに噛みついておいて、最終的には誰かとの出会いなのか、という結末は文体に反してクラシックですらありますが」(by津村さん)
それぞれのキャラの独立、という各委員のコメントは確かにその通り。
既存のカタルシス、感慨とかテーマみたいなものがなくて感想が思いつきにくい。最後にノンケとして出会ったはずの男にゲイフラグが立って終わる。
もっと色々やってるのにぜんぶ無気力で流されてしまう主人公、とか、アイデンティティの模索、とかだったら新文化混ぜこぜ、ぽく読めなかったのかもしれないけど所々は意思があってどう読めばいいかわからないまま終わる。
描写はエロくないけどSNSでエロ広告見たようなしんどさ、最近のジェンダー文化のしんどさやあれこれぜんぶ乗せ、みたいなしんどさ。
表現はすごいところが多々あるから、この人の歳とったときの小説を読みたい。
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疾走感が舞城王太郎っぽいとそれとなく情報があって読む。SNSティンダーのスワイプみたいに超高速で消費を繰り返して惰性で生活する疾走感はある。表現も艶やかで美しさがあるけど、物語は事件らしいものが起こらずに終わるのがあまり好みじゃなかった。
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第40回太宰治賞、第46回野間文芸新人賞、第1回永井荷風文学賞候補作。
複数の文芸雑誌の新人賞の候補に、そのインパクトのあるお名前を拝見し、どんな作品をお書きになる人なのかな、と気になっていたのを記憶していました。
並ぶカタカナ名詞や略語、ネットスラングの山。
ラノベ感覚の読みやすさ。
純文学の新人賞で、ここまで振り切って書く勇気は素晴らしいと思うと同時に、普遍的な内容とぶつ切りの終わり方に、少し物足りなさは感じました。
ともあれ「今」を上手く掬い取った作品で、次回作が楽しみです。
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たまには新しい感性にも触れておこうと思って手に取った。
あまり馴染みのない世界のお話なので、知らない言葉も出てきたり、文体にちょっと頭がついていかなかったりで、ボリュームの割に読むのに時間がかかった。
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今まで読んだことがない分野の小説ですごく新鮮だった。物語にすごく勢いがあって、分からない言葉を調べながら一気に読んだ。嵐みたいな小説だった。今の若者にはこんな生き方をしてる子もいるのか、と思うと複雑な気持ちになると同時に、何となく理解できるようなできないような自分に年とったな〜と思う。
最後の2人の会話がすごく印象に残っている。
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初読みでしたが、読みやすかったです。
今のリアルな感じを切り取ってる話だと思ったし、文体と相まってリアルを感じました!!
これから、他の作品を読むのが楽しみです!!
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読んでいる間どこか興奮する気持ちと、主人公が周囲から向けられる悪意や蔑みに実は傷ついているところに憐れさを感じる気持ちが続く。最終ページまでずっと。
「男の娘」が働くコンカフェで、化粧も可愛らしい服装もせずに働いている「うたちゃん」と会社でうだつの上がらない忠岡柊太が、別人のようであれば、フィクション要素が強いのだが、彼は明らかに同一人物で、周囲への態度を変えている訳ではない。(ノンケ喰いのときだけは、多少声が高くなるけれど。)そんなせいか、忠岡が現在、どこかに生息しているのではないかと錯覚を覚えた。
忠岡がノンケをしゃぶる動画を挙げているのは、何でだったのだろう。自分の動画の人気を上げるためではないだろうし。いつか現実に自分を知っている人間にバレて傷つきたかったように私には思える。
マチアプでノンケを捕まえて喰うエロ小説かと思って読んだが、読み終えてみると感想を書くのが難しい。もはやエロと言うより、人間ドラマだった。
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献鹿狸太朗氏と比べてしまう。
イマイチ共感できないのを性別のせいにはしたくないけれど、女が被るペルソナと男の被るペルソナは令和の現代でもだいぶちがうのかも。
あと自分は年齢の割にネットスラングには詳しい方だと思ってたのに、自信がなくなりました。
Posted by ブクログ
お利口さんの私はずっと冷や冷やしていたけれど、主人公の斜に構えた感じにはすごく共感する。「全部自認してますよ」という態度をとらずにはいられないのは、何故なんだろう。色んなものから必死に自分を守って、平気なフリして傷ついて、行き着く先はどこなのか。
さりげないけれどラストが好きだった。あの問いを投げかけてしまった主人公と、投げかけられた彼。どちらの気持ちも私には想像できなかった。
Posted by ブクログ
インターネットで疾走感が凄い的な評価を見てあらすじを読んでも面白そうだったので、早速読んだ。
この本に大きな起承転結はない。それゆえ少し物足りなさは感じたものの、現代の若者(に限らないかもしれない)生き方のひとつの描き方としてこれ程新鮮なものは無いと思う。淡々と主人公の立場から語られる日常が生々しくどこの場所に居ても誰といても満たされていない、大切に扱われていない状況が、読者側としては読んでて息苦しかった。