あらすじ
ある日突然80億人を救うスーパーパワーを手に入れた上原至は、”みんなを守るマン”として今日も人類の平和を脅かす地球外生命体と闘う。致命傷と思える攻撃を受けても完治し、どんな敵をも薙ぎ倒し、どこにでもワープできる彼は生きる伝説となっている。闘うことを強要され、弱音を吐くことを禁じられ、助けられなかった命に想いを馳せる全人類の奉仕者は、全人類の奴隷であった。彼はいつまで皆を救えばよいのか。彼に救いはあるのかーー。
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Posted by ブクログ
1行目からお下品をぶっかましてくるのがいいです。
この文章を延々と読めるだけで嬉しい!!
スーパー能力で敵と戦うも一般人たちの送る感謝では全く釣り合いがとれなくなってきて、苦悩していく様が可哀想すぎる。
しまいには死者が出て、責任だけを求められ続ける。
一般人たちをこき下ろすワードが山のように出てニヤニヤ出来ること間違いなし。
戦闘シーンは意外にグロくて、耐性ないと気持ちが悪いかもしれない。
地ごくと赤泥棒は超えてないけど面白い!
Posted by ブクログ
ヒーローになった者にしか分からない苦悩。
漫画や映画で出てくるヒーローが人類を救ってくれることに対して何も疑問を抱かない一般人への警告…とまではいかないけれど、もうちょっとヒーローの気持ちを考えたらどうなのかと言われているような感じがした。でもヒーローの気持ちなんて一般人には一生分からない。分からないことを知っているからこそ、ヒーロー(この物語では上原至という大学生)は、せめてそっとしておいてくれと願うのだ。そんな至の気持ちは悉く無視され、一般人は傍若無人にヒーローへ助けを求める。
何と苦い話なんだろう。読者で傍観者な私は、至の正体をしつこく追及する人々に苛立ちを覚え、満身創痍になりながら人々を救う至に感謝した。
しかし、私がこの物語の中で生活する一般人だったら、やはり至の正体は気になると思う。多分、彼が本当は悪の組織(政府)と手を組んで人々の印象操作をしているとまでは思わないかもしれないが、あまりにも強い力を持った至がいつ手のひら返して人々を攻撃してこないか心配にはなると思う。よって、一方的に至の正体を知りたがる人々を蔑むことはできない。
至が「みんなを嫌いマン」になってもしょうがない。嫌いな奴らを救うなんて、やっぱりヒーローは因果な職業だ。