【感想・ネタバレ】首取物語のレビュー

あらすじ

少年は、空腹に耐えかねて、目の前にいる男の握り飯を奪った。その行為を何度も繰り返していることに気づいたとき、首だけの男に出会う。
男は少年と同じく過去の記憶を無くしていた。侍だったということ以外は。
二人は様々な国へ飛ばされ、少しずつ記憶を取り戻していく。
彼らはなぜ、記憶を無くてしまったのか? 男はなぜ、首だけの姿になってしまっているのか?
第164回直木三十五賞を受賞した著者が、『千年鬼』に続き贈る和風ファンタジー。

第1話 独楽の国
第2話 波鳥の国
第3話 碧青の国
第4話 雪意の国
第5話 消去の国
第6話 和茅国
第7話 波賀里の国

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Posted by ブクログ

ネタバレ

願いとか人の思いとか善とか悪とかみんな紙一重。トサの成長を楽しみつつも個人的には悲しい結末。どうしてああなってしまったのか。

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2025年10月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

武士だったと思われる生首のおっさんオビトと悪童トサとのバディ珍道中。
疑似家族的でもあるのかな。

装画からほのぼのとした話を想像していたがけっこうシビアだった。
トサとオビトに何らかの因縁があるだろうとは、ある意味お約束なので想像がついたのだが、トサの来し方がかなり壮絶で驚いた。
自分さえ助かるなら他人を犠牲にする人間の醜さを描きつつも、それもまた状況のせいだとする懐の広さがいい。
憎み合っている人々も出会い方が違えば友人になれたかもしれないのだ、トサとオビトのように。

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2025年06月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かったんだけど、ラストで何か救われない終わり方になってしまって、えーって感じたった。
「完」ってことはもう続きはないってことなんだろうか?
2人の因縁をせっかく乗り越えたと思ったのに、このラストとは…。
2人にはぜひ「独楽の国」を抜け出して新しい旅を始めてもらいたいなあ。
最近こんなラストの話しか読んでないからなかなか辛い。

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2024年11月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

西條先生の作品をこれまでも読ませて頂いてますが、この作品はこれまで読んだお江戸のお話とは違って、御伽話のようなところが新鮮でした。
首だけの元武士のような男オビトと、12、3歳くらいの悪ガキのトサという一風変わったコンビが、旅の道中でこれまた不思議な国に迷い込んで、奇妙な体験をします。過去を忘れてしまった2人が、いがみ合いながらもお互いに気を許し始めると、この話の来し方行く末が気になってきて、物語に引き込まれていきました。
そして旅の目的地に近づくと、その忘れてしまっていた過去に、壮絶な出来事があったことを思い出し、一気にクライマックスに突入します。
人の想い、人の善悪、その業の深さにより2人に巻き起こった試練は、やはり人の想いの強さで克服されますね。
そうして勝ち取った行く末は、彼らに安息をもたらすかはわからないけど、前向きに進む姿に、これもまたよし、と思います。
完璧なハッピーエンドとはいかないけど、ポジティブを感じられてよかったです。

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2025年05月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

首になった元武士と子供(ともに記憶喪失)が旅する話。
いくつかの国で経験を共にすることでお互いのことを理解し、絆を深めていく。

碧青の国は治めている人のやり方がまずいでしょう。5,6歳の子供なら「竜のお嫁さん」という説明でいいかもしれないけど、13歳の子であればきちんと説明してあげたら不幸は起きなかっただろうに。

途中にあった↓これ。本当によく感じる。
「悪事とは何だ?誰にとっての悪事か、誰が善悪を判じるのか。~権と力、政、常識、風潮、時代ー善悪とはこれらによって、猫の目のようにくるくると変わる代物ではなかろうか。」

最後はちょっと残念だった。独楽の国に戻ることで人の暮らしを、幸せを表現したのだろうけど、2人で新たな世界に旅立ってほしかったな。

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2024年12月09日

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