あらすじ
第11回ネット小説大賞受賞作品。とある地域交流センターに、水曜日の夜にだけピアノを弾きにくる女性がいた。
彼女はいつしか『水曜日の君』と呼ばれるようになっていて、
毎回受付をする“彼”も彼女--鎧塚ケイのことを気にかけるようになっていた。
しかし二人は、利用者と職員という立場。想いが募る前に、“彼”は異動を受け入れてしまい……。
『水曜日の君』と週に一度だけ会う関係が、すこしずつ変わっていく。
ピアノの奏でる旋律のように、歩くような速さで。不器用な二人の、すれ違う恋の練習曲(エチュード)。
好きになった人の名前を呼んで、気持ちを伝える……簡単に思えるけれど難しい、大人の恋の物語。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
恋愛に不器用というより、生きていくことに方向性は違えど少し不器用な二人のもどかしい恋愛物語。
どちらもどこか息がし辛そうな印象だったので。
割と早々に物語が動いて、デートをする仲にまでなったのに、そこから先が長かった。
「僕」が淡々としている分、鎧塚さんが爆発しちゃったから……案外口が悪い、彼女。
似たところもありつつも(似たところというか、身内に似た人がいるというか)どちらかというと正反対だからこそ、互いに惹かれたのかなと思った。
「僕」が静、鎧塚さんが動。
これから先はお互いに段々とバランスが取れて、よりいい関係になれるのだろうなと思う。
今はまだバタバタした連弾も、いつか調和するように。
呼吸しやすい居場所にお互いがなればいいな。