あらすじ
相手とぎくしゃくしたときの「関係修復のスキル」が身につく1冊。たとえば…… ●ちょっとしたことで家族と言いあいになる ●部下の気持ちが自分から離れている気がする ●謝ったのに余計に友人を怒らせてしまった ●同僚に指摘されると「責められている」と感じる ●パートナーが石のように黙ってしまった こういった身近な人間関係がぎくしゃくする背景には、シンプルな共通点があります。それは、相手への「ごめんなさい」が不足していることです。相手との関係がピンチの場面、つまり「ごめんなさい」が必要になるような場面で、どう対応するかによって、そのあとの関係が決まります。やっちゃった「あと」が人間関係の最大の分岐点になるのです。これまでに2万人以上を指導してきたコーチが実践する「ごめんなさい」の技術を身につければ、あなたの身近な人間関係の悩みは確実に減っていくはずです。 【目次】●第1章 なぜ私たちは素直に謝れないのか? ●第2章 「ごめんなさい」を軽やかに伝える技術 ●第3章 「ごめんなさい」を上手に受けとる練習
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Posted by ブクログ
この本を読んで、一番印象に残ったのは
**「謝る=負けではない」**というメッセージでした。
つい私たちは、謝ると立場が下がる、認めたら損をする、と感じがちですが、
本書ではむしろその逆で、
謝れないことこそが人間関係を壊す原因になると繰り返し語られています。
特に注意すべき言葉として挙げられていた
「でも」「だって」「しょうがなかった」
この3つは、無意識に使ってしまいがちですが、相手の気持ちを否定し、関係にひびを入れる危険なワードだと気づかされました。
また、論破は正しさを証明する行為ではなく、
人間関係を破壊する最悪の方法だという指摘も納得感がありました。
勝ち負けを決めた瞬間に、信頼は失われる。
これは仕事でもプライベートでも思い当たる場面が多いと思います。
印象的だったのは、
謝れるリーダーほど、部下から尊敬されるという考え方です。
間違ったときは、責められる場面ではなく、
むしろ「ごめんなさいを伝えるチャンス」だと捉える。
一言のごめんを、さらっと言える人ほど、良い関係を築けるという話はとても現実的でした。
本書の中核となっているのが
ごめんなさいの技術7ステップです。
相手の不快サインに気づき、動きを止めて向き合うこと。
会話の隙間を待ち、責任範囲を限定して謝ること。
謝るときに相手の目を見るという細かい所作まで書かれており、
感覚論ではなく、具体的な行動レベルに落とし込まれているのが特徴です。
特に印象に残ったのが、
怒りが収まらないときは「コップ理論」をイメージし、
一度で解決しようとせず、少しずつ謝り続けるという考え方。
相手の感情が抜けきるまで待つ姿勢の大切さを学びました。
さらに、謝る側だけでなく、
人から謝られたときの受け止め方まで丁寧に書かれている点も良かったです。
承認の一言から始め、
自分の不快感を「私」を主語に伝え、
相手のフルストーリーを聞く。
関係を修復するための対話の進め方が、ステップで整理されていました。
また、ごめんなさいは単品で使うべきだという指摘も印象的です。
謝罪と改善案をセットにすると、
相手は「反省より自己弁護」を感じてしまう。
改善案は対話が終わってから伝える。
この順番の重要性は、すぐにでも意識したいポイントでした。
全体を通して、
謝ることは弱さではなく、
関係を大切にするための技術であり、誠実さの表現だと感じました。
人間関係に悩んでいる人だけでなく、
部下を持つ立場の人、家族やパートナーとの関係を良くしたい人にも、
一度は読んでほしい一冊です。