あらすじ
「電話の着信音がなると動悸がする」
「人に聞かれるのが嫌で職場で電話ができない」――。
近年、電話が原因で心身症状が現れたり、
仕事に支障を来したりする若者が増えているという。
その心理的背景を豊富な事例で解き明かす。
Z世代の理解の一助にもなる一冊。
電話が嫌いでたまらない人へ、今日からできる克服法を伝授します。
大丈夫、きっと治せます。
【編集者より】
自分自身が極度の電話恐怖症のため、
電話を不快に思う人の助けになることを願って制作しました。
なんとこの本をきっかけに、
ほとんど抵抗なく電話ができるようになり、
自分でも驚いています。
(目次)
電話恐怖症チェックリスト
第1章 若者だけじゃない! 電話ぎらいが急増中
ケース1 給湯室から打ち合わせしてきた新入社員/ケース2 電話の着信音が鳴るだけで動悸がする/ケース3 電話に出ることを強要されて出社拒否アメリカでは約8割の若者が電話に不安感/中高年でも苦手な人は多い/など
第2章 電話が苦手な人の中で起きていること
顔が見えないツールはこわい/トラウマの経験が尾を引いている/人目が気になり、電話に出られない/断ることができない/理解力に自信がない/相手が誰だかわからない/完璧主義だから/時間を奪われるのがいや/自己肯定感の低下にも一因が?/など
第3章 電話の知られざる意義
電話のメリットは情報量の多さ/電話は旧世代のメディアか/電話と文字ツールの使い分けはどうする/電話をしないと戸惑われることも/電話応対がうまい人は仕事ができる?/電話で関係構築が楽になる/もめそうなときは必ず電話で/など
第4章 電話がこわくてたまらない人の初めの一歩
電話への恐怖をやわらげる段階的暴露法/電話が苦手な部下がいたら/電話を簡潔に終わらせる方法/「間」は大切なコミュニケーション/言葉の使い方にコンプレックスがあるパニックになって話が入ってこない!/留守番電話になってしまった!/など
第5章 実践編 厄介なシーンに対応する
クレーマーのトラウマがある人は/怒りの電話は一次感情にフォーカス/相手の意向を探る/理不尽なクレーマーには/言葉尻をとらえて攻撃してくる場合は/笑顔で電話に出るとクレームを言われにくい/やたらと電話をかけてくる電話魔には/など
第6章 実践編 電話で成果を上げるヒント
初めてのアポイント電話/語彙の不足を克服するヒント/話を転換するときは質問形式/謝罪をメールだけですませるのは危険/謝罪の電話の効果的な方法/アポイントせずに電話をかけなければならない/電話で言いにくいことを伝えるテクニック/など
第7章 コミュニケーションは自分との対話
ネガティブな感情は全然悪くない/自分を認めると他者との関係が安定する/自分の意思を言葉にしてあらわす/「NO」を言えない人が抱える問題/断ることもコミュニケーション/傷ついてもリカバリーできればいい/リカバリーするためには強制リセット/など
第8章 「電話恐怖症でもいい」という提案
こわくなくなる習慣/笑い話のネタにしてしまおう/電話恐怖症でもいい理由/恐怖は人に必要なもの/「人はそんなに話を聞いていない」と居直ろう/「自分軸」を持って、自分を大切に/自分をどんどんほめて、毎日を楽しくしよう/など
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
■怒りの電話は一次時間場にフォーカス
電話でよくあるのは、相手の怒りがエスカレートすること。顔が見えない分、感情がエスカレートしやすく、ストップが効かなくなる。そういうときは怒りに同調しないこと。
コミュニケーションの基本は相手の感情に寄り添うことであるが、怒りだけは、それをやっていはいけない。なぜなら、喜怒哀楽のうち怒りだけは「二次感情」と言われ怒りのもとに別の感情があるから。
喜びや悲しみと違い、怒りは単独ではやってこない。必ず怒りのもとになった感情がその背後に隠れている。寄り添うべきは怒りにではなく、そのもとにある一次感情である。元の感情に寄り添わない限り、表面に現れた怒りに寄り添って鎮めようとしても、元が解決されていないので、怒りは収まらない。逆に怒りを否定されたと感じて、ますますエスカレートする。
■電話では顔が見えないが、なぜか笑顔で話した方が相手からの印象が良くなる。「笑声」という造語がありコールセンターなどではよく使われる。ニッコリすると声の表情が変わる。心の中は笑顔でなくても、とりあえず笑顔を作ってみると声の印象が変わる。
■問題が起きたとき、どう考えるかは二つのパターンがある。
一つは、自分が悪かった、自分に責任があると考える「自責」の人。もう一つは責任が環境や他人にあると考える「他責」の人。
「自責」の人は「私に問題があるのでは」と考えるので、気持ちが落ち込む傾向があるが、理不尽な場合を除き自分が変われば展望が見えるので、自分なりの解決方法を見出しやすく比較的早く問題が解決できる。
一方、「他責」の人は、人のせいにしているので、ずっと不平不満を言ったまま時が過ぎていく。人のせいにしていても、人は変わってくれないので状況を変えることができない。
■「NO」を言えない人が抱える問題
「NO」を言えず、我慢してしまう人は注意が肝心。なぜなら、「NO」と言わずに自分の意思表明をしない非主張は、その真逆であるとされる攻撃性と表裏一体だから。自分の気持ちを表明しないでいると気持ちが抑圧され、そのバランスを取るため、どこかで攻撃性が表れてしまう。
■「人はそんなに話を聞いていない」
根本的な問題として、人は、しっかりと耳を傾けても相手の話を半分も聞けていない。それは阻害要因が存在するから。その阻害要因は三つある。
一つ目は、相手の話が自分の記憶と結びついてしまうこと。相手の話ではなく、自分に意識が向いてしまう。
二つ目は、相手の話に影響されて自分の感情が動くこと。
三つ目は、相手の話に対し、どう反応しよう、何と言おうと考える瞬間があること。会話はキャッチボールなので、次になんと言おうか、どう対応したらよいかを考えながら言葉を発するので、その間、自分の中で思考しているため、相手の話を聞けなくなる。
このように人の話を聞いていても、意識は相手と自分を言ったり来たりするわけでとぎれとぎれに自分に届くもの。自分に向かう意識の時間、分量が多いほど相手の話は聞こえていないことになる。音としては耳に入っても意識には落とし込まれていないので実質聞いていないことと同じことになる。コレは人間に共通するコミュニケーションのスタイルなので、これを理解しておくことが大切。そもそも人は相手の話を半分くらいしか聞けていないもの。
Posted by ブクログ
電話が怖い、恐怖症の人が増えている。
その原因について、時代、社会等、背景にあるものをまとめた本。
電話を含むコミュニケーションの対処法など。
正直、可もなく不可もなくな内容。
わかりやすく、暖かい論調で、書かれていて好感は持てる。
電話は使用率が少なくなってきているがオワコンではないし、仕事する上で使えた方が良いのはあきらか。
じゃあ、どうしようか?みたいな本。
画期的で目新しい解決方法ではないけど、実戦しやすいことが提案されてると思う。
まぁ電話するのは、そんなに苦じゃない年代なので、なんとも言えないが(^^;
自己肯定感の低さ、コミュニケーションの不足、自宅電話の所持率の低下、、、若い人達が電話苦手になるのは分かるよね。
Posted by ブクログ
電話をかけることへの恐怖や不安の背後にある心理的な要因を探り、具体的な克服方法を提供している。実践的なアドバイスが詰まっており、電話に対する恐怖を乗り越えたいと願う全ての人に有益。
Posted by ブクログ
このテーマで新書を書いてしまうのかと少し驚いたけど、様々な事例を挙げられると、間違いなく自分にも「電話恐怖症」の症状はあるし(人前で電話をするのは未だに苦手)、共感を重ねながら読んだ。産業カウンセラーである筆者ならでは観点から症状を解きほぐしてくれる。
Posted by ブクログ
タイトルが仰々しく感じるが、中身はわりとフレンドリーで、サラッと読めました。
事例と対処の内容もあり、役立ちそうです。
著者が公認心理士というのもあって、メンタル面の話もあるので、捉え方によっては、タイトルの内容が薄く感じるかもしれません。
自分は、雑多があったほうが楽しく読めるので、よかったです。