【感想・ネタバレ】音楽が人智を超える瞬間のレビュー

あらすじ

人生、音楽、教育、多彩すぎる趣味……「マロ」の愛称で知られ26年間務めあげた「N響第1コンサートマスター」という肩書を超えて、様々な活動で知られる唯一無二のヴァイオリニスト。ダース・ベイダーにはなれなかったが、そのおかげで音楽に導かれて辿り着いた最高の居場所とは? ●北九州で育まれた「特異体質」 ●ウィーンで学んだ音楽の神髄 ●N響で磨かれたコンマスの流儀

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Posted by ブクログ

ネタバレ

現在NHK交響楽団の特別コンサートマスターである篠崎史紀氏が、自身の人生を振り返りながらオーケストラの話やコンサートマスターとして関わってきた指揮者の話などもりだくさん。学生時代にヨーロッパで音楽を学び、日本の音楽界での保守的な繋がりが無い分、自由に音楽を表現していると感じた。そして若者を育てる教育は、答えを教えることではなく、一緒に考え、自分自身で答えを見つけるよう導き出すとということには納得。両親が音楽教育者であったとこいうこともあり考えていることも深い。

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2024年09月15日

Posted by ブクログ

N響のコンサート中継を観ていると、コンサートマスターの席に白髪の渋い紳士がいつも座っていて、かなり存在感があり「誰だろう」と思っていました。その人が、本書の著者である篠崎史紀氏です。

本書は篠崎氏がどういう経緯でバイオリンと出会い、そしてN響のコンサートマスターとなったのかを語る前半部、コンサートマスターとしての役割や、N響を振った数多くの有名指揮者とのエピソードやその音楽性などを語る後半部に分かれています。

篠崎氏は私よりも少し上の世代。ウルトラマン、仮面ライダー、宇宙戦艦ヤマト、銀河鉄道999といった実写ヒーロー・アニメや007、スターウォーズなどの映画にはまった少年時代は私の経験と重なり、”まだビデオが無い時代にテレビ音声だけをテープレコーダーで録音していた”等々の様子は「自分と同じだ!」と共感できました。

次世代・子供達の育成について述べられている部分は篠崎氏の音楽に対する姿勢が表れていて説得力がありました。”守破離”の精神(”守”=基本を学び型を守る、”破”=自分で考え、教えられたものを自ら超える、"離”=指導者から離れて一人立ちする)、子供には近道を教えるのではなく、自分で経験させ、考えさせる、等々の考え方は親として子供と接する時にも頭に入れておきたいと感じます。
コンサートマスターの経験者ってそう多くないはずで、それもN響という超一流のオーケストラのコンサートマスター自身が語る音楽との関わり方、子供や若手を指導する際に心がけている事など、いろんな面で興味深い内容の1冊でした。

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2025年01月06日

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