あらすじ
本書を読んでスペイン旅行をしたら、必ずや闘牛を見るだろう。
そんな筆力が、本書の闘牛シーンに漲っている。<西上心太>
闘牛中の事故で亡くなった兄を悼むためにスペインへ向かった怜奈は疑念を持つ。兄は殺されたのではないか。だが決定的な証拠も証言もない。調べるうちに闘牛に魅せられた怜奈は、女性闘牛士になるという夢を持つ。古いしきたりに翻弄されながら修行に挑む怜奈だったが、兄を貶めた魔手は忍び寄っていた――。構想15年。スペイン闘牛界に蔓延る闇を、ミステリー界の気鋭が描く。
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Posted by ブクログ
日本人は闘牛の事を知らなさ過ぎる!!!
でもそれはしょうがない!
欧州の人達が相撲を知らないように私達が闘牛を知らないのは誰でも出来るわけではなく、生きていく上で必ずしも必要ではないからかもしれない!
そんな、私達の生活の延長線上に無い闘牛について、興味のある人にも無い人にも読んで欲しいと思う
本作はストーリー以上に
・闘牛とは何か?
・闘牛に関わる人々?
・闘牛士の社会的地位
・闘牛の世界と女性
・スペインにおける闘牛文化
・闘牛における牛の役割と扱い
などの私達が通常に暮らしていては決して知ることの出来ない知識が詰まってます!!
全く興味のなかった人も読んだ後はYouTubeで検索するぐらいは興味を持って貰えるのではと思います!!
闘牛中の事故で亡くなった兄が暮らしていたスペインに怜奈は訪れる・・・
ふとした事で兄の死に疑問を持った怜奈は、同時に闘牛に惹かれてしまい、闘牛士への道を歩む事に!!!!
設定に無理があり過ぎるのではと疑問に思いながらも流石の下村敦!!!
スペインに行きたくなりました!!!
Posted by ブクログ
下村敦史『情熱の砂を踏む女』徳間文庫。
何時も様々なミステリーやサスペンスで楽しませてくれる下村敦史であるが、今回ばかりは少し空回りが過ぎたようだ。
スペインの闘牛界を舞台にミステリーを描いたという点は面白いのだが、設定や展開が余りにも強引過ぎるし、終盤に明かされる驚愕の真相も乱暴過ぎたようだ。
例えるなら素晴らしい小説を原作に二流映画監督が無理矢理、2時間の映画に仕立てたというような作品だった。
日本人には余り馴染みの無い闘牛であるが、スペインでは文化の一つであり、宗教的な意味合いもあり、儀式的な部分もあるようで、日本の大相撲にも似ている。
スペインで闘牛士となり、闘牛中の事故で亡くなった兄の進藤大輔を悼むためにスペインに向かった妹の怜奈はその死に疑念を持つ。始めは兄の生命を奪った闘牛を嫌っていた怜奈だったが、次第に闘牛に魅せられ、数少ない女性の闘牛士になろうとスペインに留まる。
2年の月日が流れ、怜奈は念願の闘牛士となる。闘牛士として闘牛場で演技を続けるうちに兄の死の真相に近付いていく。
本体価格820円
★★★