【感想・ネタバレ】ディズニーとマクドナルドに学んだ最強のマネジメントのレビュー

あらすじ

ウォルト・ディズニー・ジャパン、日本マクドナルドなどトップ外資系企業で辣腕をふるった著者による実践的なマネジメント論です。45年の長きにわたり、外資系企業を渡り歩いた著者がグローバルスタンダードのマネジメントを解説。諸外国と比較し生産性が低く、GDPが伸び悩むなど低迷する日本企業が生き残るためのマネジメントとは? 外資系マネジメントの神髄を学ぶことができる一冊です。

【目次】
第1章 日本が置かれている厳しい現状
日本のインテリジェンスも低迷中
日本のビジネスパーソンは劣っているのか?

第2章 効率的なグローバルスタンダード
合理性に衝撃を受けた私の原体験
エラーやミスをなくすより生産性を優先

第3章 マクドナルドの最強戦略
マクドナルドは不動産会社?
マクドナルドの奇跡のV字回復.

第4章 ディズニーの最強戦略
ディズニーストアで学んだ飲食店と小売店の違い
ディズニー・ジャパンで実施した3つの施策

第5章 外資系のやり方で日本企業は甦る
外資流を実行した企業の実例とその成果
転職のススメ


【著者プロフィール】
中澤一雄(なかざわ かずお)
1950年、奈良県生まれ。同志社大学工学部電子工学科卒業後、1973年4月、日本マクドナルド(株)に入社。オペレーション部門のディレクターやマーケティング部門のシニア・ディレクターを歴任。米国マクドナルド社本社に3年間勤務。POSや「メイド・フォー・ユー」システムの開発に関わる。1999年、ディズニーストア・ジャパン(株)にストア・オペレーションのディレクターならびにマーケティング、セールス・プロモーションのディレクターとして入社。3年間で事業規模を2倍にするなど経営再建に手腕を振るい、総責任者として活躍。2004年、日本ケンタッキー・フライド・チキン(株)取締役執行役員常務に就任。2008年4月、ウォルト・ディズニー・ジャパン(株)のライセンス部門・コンシューマープロダクツ日本代表に就任。「おとなディズニー」の導入による消費者ターゲットの拡大などにより、7年連続で部門の増収増益を達成。2015年10月、ウォルト・ディズニー・コリアのマネージング・ディレクターに就任。2016年8月より、ウォルト・ディズニー・ジャパン(株)の各事業部門の統括責任者として、シニアゼネラルマネージャー/シニアバイスプレジデントに就任。2018年1月より、ウォルト・ディズニー・ジャパン(株)の相談役に就任。2018年6月、大幸薬品(株)の社外取締役に就任。2019年9月、常勤監査役に就任。2020年6月、専務取締役に就任。2022年3月に退任し、2024年現在、複数の上場企業の顧問を務める。また、コンサルティング会社(株)KUREYONを立ち上げ、代表取締役に就任。著書に『外資の流儀 生き残る会社の秘密』(講談社現代新書)がある。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

マクドナルド、ディズニーストア、KFC、ウォルト・ディズニーで働いた著者が日本企業が取り入れるべきグローバルスタンダードおよび日本企業がやめるべき悪しき習慣について述べている書籍。
100%きっちり、かっちり、しなくてはならないと考えている日本人が、いかにして、成果や効率性重視にシフトしていけるのか、一石を投じている。
取り入れるべきグローバルスタンダードとしては、
・ジョブ型の採用および部門の売上に連動したタイトル(部長、課長など)の設置と伴うジョブディスクリプションとジョブサイズ(売上がどの規模なのか)の定義
・業績に連動しており定量的に達成したのかしなかったのかのクリアな評価制度(しなかった場合のボーナスはゼロ)
・退職勧奨(および必要な転職サポート)
・社長における利益確保の姿勢
悪しき習慣としては、
・新卒一括採用(育成のコストは無駄、また同期が同じスピードで昇進することにより、部下なし役職者がかなり産まれ、コストに)
・春秋の定期異動(ジェネラリストを大量に生み出す)
・年功序列および定年制(成果があがっているのであればよい、一方でやる気または能力のない社員をいとどまらせることによるコスト)
がある。マクドナルドにおける指針としてのマニュアルの策定および決定を委ねられている店長。その前提としての熱心な教育に関するエピソードや来店≒売上である外食産業から、平均買上げ点数の向上が必要となった小売業への転換のエピソードも興味深い。
またアクドナルドが不動産業として株式市場に登録している理由も非常に興味深い。(フランチャイズ企業を成果に応じて簡単に契約を打ち切れ、土地をそのままに新たなフランチャイズ企業と契約ができる)
示唆に富んだ内容ではあるものの、やや、外資こそ正、日本企業こそ悪のように偏った主張が散見されるものの、これほどの強い意志、熱意があるからこそ変革はもたらされるのかなとも思わせられた。

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2024年10月08日

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