【感想・ネタバレ】八月のくず~平山夢明短編集~のレビュー

あらすじ

深夜、身重の女を助手席に乗せて人気のない峠道に向かった男。車を停めると、隠し持っていた金槌で女の頭を殴りつけた。女は原型をとどめないほど壊されるが、それは男にとっても悪夢のはじまりだった(表題作)。壮絶な賭け試合で重傷を負っても、一晩で回復する不死身の男、その切なくも残酷な理由(「ふじみのちょんぼ」)。絶望か救いか、圧巻の10話を収録。

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Posted by ブクログ

平山夢明は短編の名手である。と、かつて別の短編集の感想で書いた記憶があるのだけど、本作に関しては少し評価が難しい。
この方の作品には初見の読者が思わず目を逸らしてしまうような、絶望的な設定やグロ描写なんかが至るところにあるんだけど、一方でそのような描写の中にある種の真理が含まれていることもまた確かで、それが明らかになった瞬間に通常の読書ではまず味わえない読後感に浸れるのがオリジナリティだと思う。
ただ本作に関していうと、設定が特殊すぎて何だかよく分からないうちに終わってしまった印象しか残らなかった作品がいくつかあり、たぶん読み手である私の読解力不足によるところが大きいのだろうけど、もう少しわかりやすく書いてくれてもいいじゃんかよっ、と心の中で何度も叫んだことを告白します。
表題作や「祈り」ぐらいのまとめ方であれば十分楽しめたんだけどな。自分にはちょっとレベルが高かったか。

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2024年11月30日

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