【感想・ネタバレ】嫉妬探偵の蛇谷さん 2のレビュー

あらすじ

嘘が嫉妬を呼び起こす、学園青春探偵物語!

「私、この夏のテーマを決めているの」
蛇谷さんは、そのあとにこう続けた。
「あなたーー野水のことを知る」

蛇谷カンナ。
黙っていれば怖ろしいほどの美人で、口を開けばもっと怖ろしい、嫉妬の権化のような僕の先輩。
惨めな人、馬鹿な人、自分より下な人、嫌われ者、そんな「悪者」のいる謎を暴く女。
先輩としては残念すぎる蛇谷さんだけれど、僕は彼女を嫌えないどころか、可愛いとすら思ってしまっている。重症すぎる。

謎の自撮りを送ってくる蛇谷さん、浴衣で笑いかけてくる蛇谷さん、水着で恥ずかしがる蛇谷さん……彼女が僕のことを知るように、僕も蛇谷さんを知っていく、そんな夏休みはーーでも、楽しいだけでは終われない。
強い日差しが作る影のように、僕らは様々な謎や犯人、そして思い出したくもない苦い思い出に向かい合う。

後輩たちと消えたノートの謎、夏祭りに生じた開かずの扉の謎、合宿の海辺で突きつけられた僕の過去に関する謎。そして幼馴染みと、僕を傷つけた彼女にも。
どうしようもない「悪意」や「謎」に立ち向かう蛇谷さんの動機はやっぱり「嫉妬」なのだけれど、それは嘘がつけない僕のためでもあって、だから蛇谷さんには、言えない。

僕がーー蛇谷さんに、「嘘」をついてしまったなんて。

嘘が嫉妬を呼び起こす、学園青春“探偵”物語。

※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。

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Posted by ブクログ

 かわいい 爽快 超愉快

 蛇谷さんと野水くんの胸キュン
 推理劇の爽快感
 彼と彼女を取り巻く人たちの絆
 
 喜ばしい、微笑ましいだけでなく、切なく、儚い関係も含めて、人間の生きる美しさを感じさせてくれます。1巻を気に入ってくれた読者の皆さんは是非ともお手に取ってみてください!





 ※
 以下、ネタバレを含みます。
 散文、時間の許す方のみお付き合い願います。







・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・







 絢羽さんも春歌さんも美琴さんも、すがすがしいほどに「おもしれーおんな」であり、「やべーやつ」でした。桜庭一樹さんが好きそうだなぁと感じます。※GOSICK等

 全員が野水くんに良くも悪くも固執しており、おそらくになんらかの結託はしているのだろうと予想していましたが、春歌さんと美琴さんは予想通りでしたが、絢羽さんに関しては、半々の読みといったところでした。傲慢さゆえに自分からは野水くんに迫れないけれど、迫ってきて欲しいと願っているのであろうことは読めていましたが、そもそもその「人格すら演技」ということは、なるほどなぁと、おもしれーおんなのヤバさに唸らされました。野中春樹せんせい、おみごとです。

 あと、さりげなく、美琴さんが春歌さんにガチ恋の(性愛すら覚えている)人という内容も面白かったです。百合姫を見慣れているとそりゃそうだという感じですが、こういうヘテロラブロマンスな、いわゆる一般的な恋物語の中にも、しばしば描写されるようになったのだなぁと。 ※DEIやSDGsといった政治的思惑の詐欺そのものな醜悪さ には辟易しますが、実際の同性愛者当事者さんたちの想いや出来事には、むしろ深く感銘を覚えることもありますので。物語においても、そうした思惑を含めないのであれば、素晴らしいことだと思います。

※BLMやAntifaも美辞麗句を語りながら、実際は、資産家・ジョージソロス氏に金を握らされ、テロを繰り返していたという浅ましい事実が明らかになりました



 そしてなんといっても美少女たちの水着を拝めるのも素晴らしい……。ponさんのイラスト、大好きです!
 青山さんの計画に乗せられていると分かっていても、野水くんを失うことに比べたら、恥じてなどいられないと、勇気を出して、彼に告白する様子も鳥肌の感動がありました。告白と言っても、恋仲を求めるものではなく、「私にとってあなたがどれだけ大切な人なのか」をただ語って、触れて、伝えるだけ、というとても単純で、それでいて暖かいものでありました。そこがまたかわいらしいなぁと。あとがきに記されていますように、ただ簡単に恋仲になる以上の、そうなるための歩みや時間に込められた想いへの愛おしさが、またすてきだなぁと思えるのです。もちろん、わかりやすいぐらい、性欲だけで繋がる関係も好きですし、そこから真心に気がつく恋愛というのもかわいいとは思います。※「愛とか恋とか、くだらない。」著:朱雀湯 等



 また、美琴さんが野水くんを嫌っていたのは、クラスの一体感に「嫌そうな顔」を見せるのが、あまりに露骨であり、彼の生来の「嘘を隠せない顔」を信じないのであれば、わざと嫌な顔を見せてくる嫌味な性格のクズ、にしか見えない……という描写も面白かったです。
 恋心を微塵も抱いていないことが、顔でわかってしまうからこそ、本心を語ることを恐れて、自分の想いを伝えることよりも、他人からの恋心を言い訳にしたり、姉として振る舞うことで自分を慰めている春歌さんや、
 傲慢ささえも演技で、自分の失敗を認められない臆病な性格である絢羽さんも、
 全ては、「野水彗の嘘がつけない顔」に由来しているのが興味深い。それがたまたま求めあう理由にぴったりと重なった蛇谷さんとは相性が良すぎたというだけで、それ以外の人たちには、こんなにも人生を狂わせてしまう脅威となり得るのですから。絢羽さん相手に対しては、彼の嘘がつけない顔が直接の理由ではないとはいえ、他の人には見せられるそれを、自分には見せてくれないという疎外感が、尚更、居心地の良い彼を取り戻したいという執着を強くさせる理由になっているのが、また上手い。

 実際、それだけ災いの芽となることを彼は自覚しているからこそ、全ての人にとっての短所であっても、蛇谷カンナただひとりに選ばれる長所でありたいと、自分の嘘がつけない事実を、彼は受け入れることが出来ました。こんな暑いラブロマンスがあるかよぉぉー!胸キュンすぎるううう!
 やはり、惚れた女のために罪を背負う、天王寺瑚太郎さんの面影がついて回ります。



 以下
 脳内劇場配役紹介
 敬称略
 全員分ではございません


 野水彗:森田成一   蛇谷カンナ:喜多村英梨

 青山会長:洲崎綾   小森先生:田中涼子

 鏑木絢羽:水沢渓   夕凪春歌:花澤香菜

 福永真ヶ子:高尾奏音 狩野美琴:伊藤かな恵



 もちろん、一巻のときと同様、主演お二人は、Rewrite、天王寺瑚太郎&千里朱音 の印象からお招きしております。なので、蛇谷さんの告白場面は、もう、なんと申しますか、キタエリさんかわいい、の煩悩に満ちておりました。笑笑



 ここまで、私の散文にお付き合いいただき、ありがとうございます。

 あなたのこれからの読書の時間と

 穏やかで心ときめく人生が………

 幸せなものになりますように

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2025年05月06日

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