【感想・ネタバレ】シリーズ「あいだで考える」 ホームレスでいること 見えるものと見えないもののあいだのレビュー

あらすじ

著者は公園のテントに20年以上暮らし、ほかのホームレスたちと共に生きる場をつくりながら、ジェントリフィケーションやフェミニズム、貧困などをめぐる活動をしてきた。本書では、公園や路上での生活や、ほかのホームレス女性たちとの営み、街の再開発とホームレスの追い出しなどを伝え、現代社会の風景の中の「見えているのに見えないことにされているもの」「隠されているもの」「消されたもの」について、読者に語りかける。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ホームレスという生き方の一部を知れる。私自身はホームレスになりたいと今のところ思ってはいないが、今後なりたいと思わないとも、予定外にホームレスにならないとも限らない。ホームレスになる=全てを失うという認識であったけれど、ここで語られる人たちはどうやら違う。不便な暮らしのなかでの工夫や、物事をじっくりと考えること、時間や季節の流れを感じること、「普通の」社会から逸脱した生活の厳しさと眩さが記されていた。生きることは抵抗であることの最も原始的な行いではないかと考えられるようになり、ある意味では希望のような一冊かもしれない。
とはいえ私は今、「普通の」社会で暮らしている。労働によって得た賃金で、資本主義社会に踊らされるままに物を買い、経済的によりよい暮らしを望んでやまない。ホームレスという生き方を拒絶する自分がいないとは言えない。が、私個人が自分の生き方としてホームレスを拒絶することと、ホームレスという生き方を否定することはまったく別物だ。この本を読んで、自分と他者の境界を確認することができた。すべての人が生きたいように生きることを支持するし、そのためには共に戦うことを実践していかなければと思う。

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2025年03月02日

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