【感想・ネタバレ】ドイツはなぜ日本を抜き「世界3位」になれたのか - “GDP逆転”納得の理由 -のレビュー

あらすじ

2023年、日本がGDPで世界4位に転落し、代わりに浮上したのがドイツ!

この結果に対し、ドイツ経済が伸びたというよりは、日本の凋落が激しすぎるとの指摘もありますが、実際のところはどうなのでしょうか。
本書では、ドイツ在住歴30年以上のジャーナリストが、現在のリアルなドイツ経済の状況と、日本と比較した際の特徴について、どのメディアよりもわかりやすく解説します。

・ドイツ経済の主役は中小企業
・B2Bに特化し大衆向け製品を避ける
・ターニングポイントは2010年
・日本を大きく上回る生産性
・デジタル化は日本と同じく遅れている?

など、本書を読めばあなたの知らないドイツ経済の全貌と日本の課題が見えてきます。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

日本とドイツ。
両国の類似点と相違点をわかりやすくまとめてくれている本だった。
こういった本ではよくどちらかに肩入れして、ポジションを取ってそれっぽくまとめるものもあるがこの本は違った。
類似点と相違点を示した上で、ドイツがどのようにしてGDPを伸ばしていったかを丁寧に結論を導いてくれた。
また両国は近いうちにインドにGDPを抜かれるであろうこと、そこから再び返り咲くために両国が共通して取れる手段をまとめていた。

ミュンヘンに長く在住している著者だからこそ書ける、フラットかつ事実ベースでの論理展開は見事だった。

0
2025年03月21日

Posted by ブクログ

□問い:表題の通り
□答え:
① 21世紀に入って日独間の名目GDPの成長率の差が開いた
② 2022年以降のドイツのインフレ、円安(=円のドルに対する交換レートの悪化)の影響
□根拠:

2000年〜2022年までの名目GDP成長率
日本 54.6%
ドイツ 115.3%
同期間での1人あたり名目GDP成長率
日本 +9.9%
ドイツ +22.2%
出所 OECD(経済協力開発機構)

ドイツのインフレはロシアのウクライナ侵攻が引き金
(天然ガスの輸入はロシアに大きく依存、21年総輸入額の約6割。22年6月後半にロシアが海底パイプラインを通じた供給量を減らし始めて同年8月31日に供給停止。天然ガスよりも価格が2倍程度高い液化天然ガスの調達に切り替えなければならずエネルギー費用が増大し、物価に転嫁された)
円安は欧米の通貨当局は金融引き締めを実施したが日銀はしなかった結果、大きな金利差が生じたため起こった
(ユーロ圏、米国の政策金利はそれぞれ4.5%、5.5% 対する日本は2016年〜2023年までマイナス0.1%)
□所感:
蔦屋書店で目に留まって手にとった
同じ頃にクロースが現役引退との知らせを
Xを通じて知ってドイツのことが少し気に
なっていたかもしれない・・

経済用語、政策について学ぶことができました

アゲンダ2010
シュレーダー元首相(1998〜2005)
労働費用を抑え、企業の国際競争力を高めたのと
同時に失業者数を大幅に減らした
・長期失業者への援助金、生活保護の額を減らし、
給付条件を大幅に厳しくした
・公的健康保険のカバー範囲を狭くし、患者の自己負担額を増やした
・ミニジョブといわれる新しい業態を導入し低賃金労働市場を生み出した

交易条件(Terms of trade)
輸出価格指数/輸入価格指数
貿易で儲けているかどうかの指標

ユーロ導入 2002年1月1日
マルクからユーロへEU域内が統一されたこと
で為替リスクが消失
マーストリヒト条約 1992年2月7日

シェンゲン協定 1995〜
国境の垣根を撤廃、人が自由に行き来
パスポート、税関検査の廃止

米国、英国 小さな政府
市場原理や自由競争を重視
ドイツ 社会的市場経済
社会保障を重視し、政府がつくった枠組みのなかで競争

GDP Gross Domestic Product
名目GDP 実際に取引されている価格に基づいて推計、物価変動の影響受ける
実質GDP ある年の価格水準を基準、物価変動要因が取り除かれている

日独再生のカギは高技能・高学歴移民を増やすこととDX(デジタル化)

ショルツ政権 移民法、国籍法の改正実施
・カナダの制度に倣いチャンスカード導入
 滞在期間 1〜2年に
・二重国籍を許可
・チャンス滞在権の導入

電力と医療のデジタル化が遅れている
紙カルテのまま
歴史的背景が要因、個人情報の保護を極めて重視
ナチスドイツの秘密警察、第二次世界大戦後の東ドイツ政府による市民の監視、摘発があった

製造業のデジタル化 インダストリー4.0
2011年 連邦省、環境省などが共同公表
13年経っても完全実装した企業はいない
資金と人材の不足が最大の要因
ドイツ企業の99%が中小企業

2023年 ドイツ カテナ-X、日本 ウラノス

0
2024年10月20日

「社会・政治」ランキング