あらすじ
秋田県御荷守村に伝わる、超人的な力を持つ「鬼神さま」の正体とは!? 大正、昭和、令和――三世代の謎が絡み合う伝奇ミステリ。
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ホラーかと思いきや、ミステリーあり百合ありSFありの豪華仕様でとても面白かった!ジャンルの縦横無尽さとスピード感はサマレンを思い出させた。
また権力者に女を差し出し栄華を貪ろうとする者達と女達との戦いの物語とも読めた。老いた女は無敵なのだ
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私はかなり面白かったです。
最初の大正パートは、軍人が囚われの姫を奪還、死守するので、これはキュンキュンするやつか!と一人でパヤパヤしてしまったが、アラ……
昭和パートが一番キモかなと思います。
そして皆様も仰っている通り、令和パートになると少しだけSFチックになりますが、それで今までの長年に及ぶ辻褄が合うという気が。
個人的には、できれば鬼は私達がおもう鬼でいてくれたらなーという気持ちがあった。
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2025年初の1冊。
まず表紙が怖い!小さい子供なら泣きそうなくらい迫力あり。
因習村と言うワードだけでもうそそられる。
ハヤカワからホラーテイストの小説なんて珍しいなと思っていたら
終盤ではしっかりとSFしてた。
ホラー、ミステリ、SFと色々な要素がてんこ盛りでわたしは大満足。
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50年に一度行われる貴人様の嫁取りという儀式の謎に、大正・昭和・令和の三世代をかけて迫っていくジャンル横断小説。
伝記ホラーからはじまりいくつかジャンルを変えていくが、軸としてあるのはフェミニズムだと思った。優生思想・性差別・家父長制に命がけで立ち向かう女たち。
大昔から続き、ようやくこの数年で問題視されるようになってきた、"立場が上の男に媚びたい男たちがおこなう女の献上"、それを容認しているとどうなるか……を闘い続ける数多の女たちと共に描く。
テストステロン値が高い白人男性だけで社会を運営するべき、とのたまったイーロン・マスクみたいな男が出てくるしそういう連中と闘争する話ですよね。ほかにも権力に忖度するマスコミや現政権への怒りも伺えて、小説に現実の怒りと「しかし弱きとされる者が勝って欲しい」という願いを込め伝記ホラー・ミステリ・SFとして描いた(ジャンル横断させるのがネタっぽさもありエンタメとしてもおもしろい笑)作品かな、と。
こういう小説だと思ってなかったから色んな意味でいいもの読んだなと思いました✊✨
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50年に一度、村の四家の〈姫〉から嫁を娶る〈貴神様〉の無敵さに絶望するホラーめいた大正第一部、四家の〈姫〉たちが数え歌に乗っ取って次々惨殺されるミステリー一色の昭和第二部、殺人事件の真相に迫ると同時に〈貴神様〉の正体を解き明かす壮大なSFの世界に突入する令和第三部…それぞれ全く違うテイストにいったい何を読まされてるんだという混乱も生まれるが、好きなジャンルを一冊で複数堪能できる喜びが勝り満足の読み応え。
「蒼の前に希望はなく、それを手放すまいとする、意志だけがあった」の最後の一文がなんか無性に好きだな。
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【目次】
第一部 大正十二年 北白真棹
第二部 昭和四十八年 星河瑞希
第三部 令和五年 幸弘蒼
伝奇ホラー、といっているが、SFだった。
そこはネタバレになるけれども。
ディストピアにも思える未来がこないといい。
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表紙がおどろおどろしい。公共の乗り物で読もうとしたら憚られる程。内容は3部に分かれていて一部は伝奇ホラー的、2部はミステリー、3部はSFっぽい。いずれも村の因習に囚われたが故の哀しい話だが、読み手を選ぶ作品だと思う。
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それぞれの姫様が魅力的
北と東の姫様は2つの時代で素敵なご縁で繋がれていて素敵
鬼が出てくるホラーかと思ったらホラーではなかった驚き
面白かったけど、男尊女卑の最たる物語という感じで読む人を選ぶかな?と思った
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とある村で50年ごとに行われる祭、鬼神様へ姫を献上する儀式に起きる事件を時代毎に書いた3章に分かれた作品。
ホラー、ミステリー、SFと章毎に変わり、人々の鬼神というものをどう捉えるか、儀式をどう捉えるかがが変容していくのが面白い。
3章の呪縛から解き放たれた理由がそれなのは最初首を傾げたが、連綿と繋ぐ、繋がなければならないという刷り込みがその理由であるならば、他者からの抑圧を跳ね除けるのはこの理由が一端になるのは納得できるが、ただ悲しくもある。
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秋田県御荷守(おにもり)村では50年に一度、貴神の嫁取りと呼ばれる祭が行われる。四家と呼ばれる村の名家からそれぞれ姫と呼ばれる嫁候補が集められ、そのうちの一人が御台として貴神の嫁に選ばれる。
大正、昭和、令和の三章を通して貴神もとい鬼の正体と嫁取りの儀の真相に迫る。
大正パートはいわゆる因習村ホラーだったものが昭和パートでは横溝正史風のミステリーになり、令和ではSFへと展開する。
ホラーのつもりで読んでいたから急展開に正直混乱する部分もあったけど、昭和のミステリーについてはきちんと論理的に解決したし、読み応えはあった。昭和パートが1番面白かったかな。
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ホラーというより伝奇やん。と思ったら裏表紙に“伝奇ホラー・ミステリ”とちゃんとありましたww
大正時代は、荒俣先生か夢枕先生か。という迫力のバトルシーン。
昭和時代は、数え歌のとおりに殺人が起きるという、S.S.ヴァン=ダインかエラリー・クイーンか、という王道ぶり。
そして最終章の令和では、とある人物の回想にて高橋克彦先生バリの超展開‼️
うん。やっぱりSF作家さんなんだなあ、と納得。
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面白い。
伝記小説で始まった物語が、横溝正史の犬神家のような展開をし、最後はSFのデストピアにターミネーター風味を見せて終わる。こう書くと、ごちゃごちゃしているように感じるかもしれないが、伝記、横溝、SFの間は50年ずつ開くので読んでいて混乱はないと思う。
けど、SFと知らないで読んだ方が絶対面白かったと思う。
半村良に伝記小説にSF的要素が混じった名作がいくつもあるが、久しぶりに読み返してみたくなった!
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西式豊『鬼神の檻』ハヤカワ文庫。
行き付けの本屋に目立つポップと共に平積みされ、内容の紹介文とおどろおどろしい表紙の鬼のイラストが気になり、購入。
初読み作家。初読み作家の場合、最初の数行のを読むと第一印象が決まる。西式豊の文章はなかなかやるではないかという印象。何よりも風景描写が良い。冬の秋田の里の風景を『冬は、風景から色を奪う。』という一文で的確に描いてみせた。
大正12年、昭和48年、令和5年という3つの年代を背景にした伝奇ホラー推理SF小説。
こうまで小説の内容が次々と変化していく小説は珍しいが、それに付いて行くのには、かなりの煩わしさがある。
大正12年が舞台の第一部は伝奇ホラー小説の色合いが濃く、第二部の昭和48年が舞台になると、4つの旧家の因縁が渦巻く、横溝正史のミステリー小説のような展開を見せる。最後の第三部で令和5年が舞台になると、新人女性記者を主人公にした正統派の推理小説と思わせながら、SF小説へと変貌して行くのだ。しかし、そのSFがやけに安っぽいことが全てを台無しにしている。
大正12年、50年に一度の嫁取りと引き換えに村を護る貴神様を信仰する秋田県御荷守村で、その年の貴神様の嫁となる『御台』に選ばれた北白真棹は貴神様が超人的な力を持つ残虐で邪悪な存在であることを知る。真棹を見初めた将校の鷹籐と部下の志賀に寸でのところで救出された真棹だったが、24人もの村人らが貴神様により惨殺される。
それから50年後の昭和48年、御荷守の東峰家と縁のある星河瑞希は、東峰勝蔵に呼び戻され、『御台』候補として他の3人の娘と共に『御見立の儀』に参加する。しかし、『御見立の儀』を発端に数え歌になぞらえたような凄惨な連続殺人が巻き起こる。
さらに50年後の令和5年、秋田県で昭和48年の事件と類似した凄惨な殺人事件が起きる。新人記者の幸弘蒼はこの事件に興味を持ち、取材を進めると昭和48年の事件で殺害された星河瑞希が自分と酷似した相貌であることを知る。
本体価格1,220円
★★★