あらすじ
齢を取れば取るほど人は幸せになる
「心筋梗塞も糖尿病も太っていたほうが長生きする」
「糖尿病の治療がアルツハイマーを促進する」
こんなことを言われたら、戸惑う人がほとんどだろう。
しかし、これらは筆者の和田秀樹氏が、高齢者専門の精神科医として、36年間、延べ6000人の患者を診てきた上での事実である。
「血圧はそんなに下げる必要はない」
「コレステロールを下げる薬は心疾患がないのならすぐにやめるべき」
「高齢者は免許を返納すべきではない」
などなど、和田氏はつぎつぎと驚くべき言葉を矢継ぎ早に繰り出す。
これらは意表を突くためのものではなく、どれもこれも合理的に納得できることばかりなのである。
そもそも筆者は、世の中が高齢者を公平に評価していないことを嘆く。
なぜなら、高齢者こそが重要な消費者であり、高齢者にスポットを当てることで日本経済が復活する芽までがそこにあるからだ。
実は、人生の幸せのピークは、世界中どこでも82歳であること調査結果がある。
齢を取るのはイヤだな、ではなく、人は齢を取れば取るほど幸せになるのだ。
本書はそれを諄々と説いて、読者の目を啓いてくれる。
『80歳の壁』――80万部突破の実績はダテじゃないのである。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
老いについて前向きなことが書かれていました。
「人が幸せかどうかは参照点によって決まる。参照点が低い方が幸せを感じやすい。」
と書かれていたのが参考になりました。
Posted by ブクログ
日本は世界有数の高齢社会となった。高齢者が増える社会に適応した新たな制度づくりを提言する。
高齢者が働き続けやすい環境を整えたり医療や介護を充実させたりすることで社会全体が活性化する可能性がある。しかし現実には高齢者を「支えるべき存在」として扱い消極的な政策が目立つ。
予測とは異なる結果が出ているにもかかわらず政策が改められない点だ。高齢者が社会の中心となることで経済や福祉の新たな可能性が開けるかもしれない。
人口の多い世代に焦点を当てた社会設計が求められている。実験を恐れず高齢者が活躍できる場を増やすことがこれからの日本の成長につながるのではないか。