あらすじ
戦時中の婦人雑誌の料理コーナーは、少ない配給物資をいかに無駄なく食べ尽くすかという「国策料理」ばかり。玄米1升に水2升を入れてふくらませ、さらに水5合で炊く「楠公炊き」をはじめ、いかにかさを増やすかの戦時色のオンパレード。それは、1945年8月15日の敗戦後も変わらず、むしろもっと深刻な食糧難に突入した。「うどんのコロッケ/パン/プリン」「大麦や米ぬかのコーヒー」「おはぎは里芋」「黒豆で人工ぶどう酒」……。
戦前―戦中―戦後の台所事情を雑誌に探って、「必ず食べてから発言する」がモットーの料理人がレシピどおりに実際に作って、食べて、レポートする「食が支えた戦争」。
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Posted by ブクログ
懐かしき料理本の写真!が沢山。楽しい。トロの話とか、面白かった。ベトナム料理のフランス受容と比べるとやはり醤油の国。ピーナツバター汁粉はすごい。冬にまたやります。サンドイッチとおにぎりから各種サンドイッチへ、おにぎらずまであとちょっと。2015年だからね。
Posted by ブクログ
身近な材料でいかに工夫して食べるか。戦前戦後の料理本には自由な発想と知恵と工夫が満載だったことに驚かされる。和食の本質はその柔軟性だという著者の考えに共感。こんなに世界中の料理からアレンジしてオリジナル料理を生み出し続けている国ってあまりないのでは。
Posted by ブクログ
戦前戦後、いかに食糧事情が悪くとも、手元にあるものをいかに美味しく食べるかに尽力してきた日本の台所を語る一冊。
古い料理雑誌などからレシピを転載しつつ、しっかりその料理を作って食べている魚柄さんの感想も面白い。
ここで紹介されるほとんどのレシピ、飽食の現在わざわざ真似てみようとは思いませんが、奈良漬けのサンドイッチなどはとても美味しいらしく、今でも受けそうなレシピもいくつか。
バターが手に入らなければ味噌で代用。それ、代用になるの…?と思うような当時の発想、工夫が満載でした。