あらすじ
切ない夜は、ここへおいで――。
疲れた大人を癒す、不思議な「絵本バー」へ。
懐かしい絵本の中に隠された
《真実と愛》を探す旅に出る。
落涙必至、珠玉の物語!
繁華街の片隅に、「絵本Bar クレヨン」はある。
亡くなった祖父が託したという本を求め、青柳由良は店へ通うことに。
バーの客は過去に大切なものを置き忘れた大人ばかり。
飼い猫との思い出に浸る男、実母と確執のあるOL、息子に過干渉な母親、妻の介護に追われた夫……。
切ない別れも伝えられなかった言葉も、そして明日を目指す勇気も、
すべては、あの「絵本」の中にある。
名作絵本を手に、彼らは今日も、自らの心の迷宮に足を踏み入れる――。
これは「本当の自分」を取り戻す、「迷える大人」のための物語。
最高に心温まる、奇跡の感動作!!
ラスト、あなたはきっと涙する!!
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
私は絵本に触れる機会が多いので、まずタイトルに惹かれて手に取った。
絵本BARがなくなっているという場面を読んでびっくり。でもそれが思い出を振り返るふわふわ体験と妙にマッチしていて、すごくいいなぁと思った。
『ノンタンと俺』は序盤から涙が止まらなかった。最後は前を向けて本当に本当によかった。
「また悲しく寂しい思いをさせるのか?」の問いに、ノンタンが「雅之は今、誰かをそうさせてはいないかい?」と答えた場面が印象深く残った。過去に囚われて悲しくなったり後悔したりしていると、今、そばにいる人を蔑ろにしてしまうこともあるんじゃないかな。
この本の中でも『ハラペコなアオムシと私』が1番好きだった。『はらぺこあおむし』の絵本からこういうお話が生まれるなんてすごい。
過干渉な母親目線のお話で、息子からすると放っておいてほしいと思うのは当然。なんだけれど、息子に拒絶されて、もう生きる意味なんてないと思う母の気持ちもわかる。亀裂の入った関係はこれからどうなる?とハラハラしていたけれど、熱中できることが見つかると気持ちが前向きになって息子との関係も変わった。
自分の人生は自分が主人公。
他者に尽くしすぎてもダメなんだ。
家族が出来ても、自分をしっかり持っていれば良い距離感が保てるのではないかと思う。
絵本の内容は覚えてなくても、家にあった絵本を見ると「この表紙覚えてる」「昔好きだったなぁ」「このキャラが大好きだったっけ」と記憶が蘇る。
『絵本そのものが、子ども時代に忘れてきたものを取り戻すための場所なのかもしれない。』
本当にその通りだと思う。
Posted by ブクログ
表紙かすごく好きなのと絵本も好きで、これは読まなければと購入しました。
有名な絵本を絡めたストーリーになっていて、
デジャブ(っていう言葉が正しいか分かりませんが)のように、過去へ戻り違う選択肢を選んだ世界を体験するようなお話もありました。
若年性認知症を盛り込んだお話の中でシビアな場面もあり、人生って人それぞれ、様々なことがあるのだなと考えさせられた一冊でした。