あらすじ
ある日、ぼくは死んだはずのいとこから
天国にたまねぎを密輸するバイトを持ちかけられた――
毎日をただこなすように生きてきた平凡な中学生のキートは、死んだはずの7歳上のいとこから、天国にたまねぎを密輸するバイトを持ちかけられた。ついでに、死後も更新が続くいとこのSNSの乗っ取り犯探しも命じられる。突然訪れた非日常。その中で、自身の平凡さをもてあまし、非凡であることに憧れと恐れの両方を抱いていたキートが、最後にたどりついた真実とは……。
SNSが全世代に普及している昨今、そのアカウントは死後も残り続け、鮮明な思い出を映し続ける。ある少年が、亡くなった人のSNSアカウントに向き合い、自分なりの「生きぬき方」を見つけるまでの物語。
【著者】
久米絵美里(くめ・えみり)
1987年、東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。『言葉屋』で第5回朝日学生新聞社児童文学賞、『嘘吹きネットワーク』(PHP研究所)で第38回うつのみやこども賞を受賞。著書に「言葉屋」シリーズ、『君型迷宮図』(以上、朝日学生新聞社)、「嘘吹き」シリーズ(PHP研究所)、『忘れもの遊園地』(アリス館)などがある。
感情タグBEST3
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正解を押し付けないさっぱりとした終わり方だった。
主人公の思考が私と近くてとても共感できて良かった。
メンタルがしんどくなった時には玉ねぎのみじん切りでもしようと思う。
起承転結の転の部分に当たるところもなかなか予想外で、何かの時にインスタで見た「お前は【正しいところから】しか助けられないんだな」という音源を思い出しながら,主人公はある意味正しくはないところから動いていたのかもと思ったけど,それはそれでいいのかもと寛容な気持ちになれた。
Posted by ブクログ
ある日死んだはずのいとこから天国にたまねぎを密輸する事を頼まれたー。ってなんそれ!?(^^)
もうタイトルと帯の文章に惹かれ即買い。
おもしろかったよ。
志真人の前向きな無茶振りと、キートの突っ込み。
でも、沙都子の心情は理解できんかったなぁ。
Posted by ブクログ
注2にしては大人というべきか、キートがそうなのか。
客観的に相手を観察しているなーと思う。
聡子の危うさはハラハラするし、やっぱり褒められたものでもないけど生い立ちとか出会いとか、いろんなものを踏まえたら必然でもあるのかなと。
結局シマとは本当に会いにきてたんだろうか。
消化しきれないキートの妄想だけでは片付けられない気はするし。
神様が休みなんだなって気持ち、ちょっと拝借しようと思った。
Posted by ブクログ
何者かになりたいというのは誰にだってあるし、何者かになりたくて手を伸ばした平凡の子の話。最後の言葉が良かった。終わり方も良かった。最後のところは共感した
Posted by ブクログ
亡くなった7つ歳上の従兄弟が、天国にはないという玉葱を密輸するということで毎週月曜日の早朝に会うキート。
そこで何者かが従兄弟のSNSアカウントを乗っ取っていることが判明し、犯人を突き止めるため、唯一乗っ取りに遭っていないレシピ投稿アカウントへの投稿を始める。
設定は面白そうだったけど、私にはハマらず。紗都子の境遇には同情するけど、亡くなった後の恋というのもあるだろうけど、共感はできなかった。かといって、それが自分勝手だと残酷だと憤るキートの気持ちにもなれず。アカウント乗っ取りは確かにどうかと思うけど、どちらかというとスマホにここまで預けてしまう現代社会の怖さを感じた。
キートの本名をラストに明らかにするほどのインパクトも感じなかったし、もしいとこがキートの幻想だとしてもアカウントが乗っ取られていることや大学の交友関係をキートが知ってるとは思えないし、あながち幻想とも言い切れないのでは?というところもあって不完全燃焼だった。
Posted by ブクログ
良いところもたくさんあったけど、最終的によくわからないお話だった。もう一度読んだらわかるのかな。
いとこの志真人を亡くした中2のキートくん。
公園で亡くなったはずの志真人に会い、たまねぎを持ってくるように言われる。
そして、亡くなった後も更新されている志真人の色々なアカウントの更新犯人探しをしていく。
色んな人と関わっていくキートの頭の中の考えがとても冷静で刺さる言葉が多かった。
人の感情をわかったように言うのは良くないっていうのはいつも気にしておきたい
つい憶測でこうだよね、って言いたくなるけど、人のほんとのところなんてわからない
サトコさんに対するキートくんの分析?も的確だった。自分のタイミングでした関わろうとしない、とか、自分もおなじことをしてるのに、人がらやると拒絶反応を示す、とか…嫌な人。
私にはタイトルの意味がよくわからなかった…たまねぎは涙のためだけなのか…
わかる人教えてもらいたいです
Posted by ブクログ
中学生である僕(キート)は7つ年上のいとこである志真人を亡くしてしまう。ある日、死んだはずの志真人から連絡が来る。それから毎日玉ねぎを1つ朝の5時に公園に届けるように指示される。
さらに、死後も続いている志真人のSNSの更新についても誰が動かしているのか犯人探して欲しいというお願いからキートが動き出す。
常に主人公の視点で物語が進められていくため、中学生ならではの心の声を読みながら知ることができる。
本に出てくる人間は誰しもおかしいという言葉にこの物語はピッタリであると感じた。
Posted by ブクログ
亡くなった7歳年上の憧れのいとこのSNSが誰かに乗っ取られて運営されている……。中2の主人公は亡くなったいとこの知らなかった一面を知っていくストーリー。
Posted by ブクログ
身近の人が亡くなった際に、人はどのように感じるの乗り越えるのか知るヒントになる小説
タイトルが気になって読みました。
タイトル通りなら、ユニークな小説だっと思っていましたが違いました。
身近の人の死について、向き合う話なような話だと感じました。
人によっては感じ方が様々だっと思います。
天国にたまねぎがない理由もありそうで、そして、優しさのある理由だとも感じました。