あらすじ
人間の身体と記憶を乗っ取る人工生命体〈蛇〉は、“衣裳替え”を繰り返し悠久の時を生きてきた。あるとき、最年少の〈蛇〉で女子高生に寄生する伍ノは、一族の長から満月の集いのための新しい衣装候補の調達を頼まれる。同級生を騙し廃墟の中の伝説の館に卒業旅行に行く伍ノ。そこで起こる惨劇。誰が人間で、誰が〈蛇〉なのか? 〈蛇〉独特のルールを利用した驚愕トリックと圧巻ロジックは「特殊設定ミステリ」の新たな極北に!
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Posted by ブクログ
特殊設定ミステリって要は「オレの考えた最強のルール」の中で謎解きが行われるわけなので、ネタ切れ気味のトリック界隈に新風を吹き込ませるのが魅力です。その一方で、①設定に上手く馴染めなかったり、②設定そのものが壮大すぎたり、③制約がなさすぎたりすると、「もう勝手にやっとけ」「殺人なんてこの際どうでもよくね?」「なんでもありかよ」となるのが弱点です。
本作はどうも①と②のきらいがあって、合わない方も結構いると思われますね。私もルールを追うのにかなり苦戦して読み疲れました。
本作の設定は寄生獣みたいな感じ。蛇だけど。
部屋密室・蛇密室・肉体密室の三重の密室をどう突破するのかに引っ張られてずっと読んでましたが、なるほどその手があったかと思わずニヤリとするトリックでした。想像を絶するほどではありませんでしたが、個人的にはこういう作品は好意的に評価したいところです。
Posted by ブクログ
人間の体と記憶を乗っ取って生きる「蛇」。というまあいわゆる特殊設定なミステリ。読み始めてすぐに「不愛想な美少女とつきまとうイケメン」というあまりにも手垢のついた登場人物に辟易してげんなりしましたが、ストーリー進行は案外そういうベタベタな感じはなく、なかなかに意外性に富んだものだったように思いました。そうくるのかーみたいな。
ただ、流行りの特殊設定ものにしてはなんというか、設定が多い。あんまりそのあたりがこみいってると読みづらさというか推理する気を放棄したくなってしまう。
あと、なんか最後いい話っぽく終わらせてるけど善良な写真部の高校生たちはほぼ殺されてるからね?あんなとってつけたようなさわやかエンドにされても。