あらすじ
(「はじめに」より、一部抜粋)
生まれつき、左手指が2本しかありません。
右手の5本と合わせて、不恰好ですが、合わせてラッキーセブンの7本指。
これまで耳を塞ぎたくなる言葉をぶつけられた日や、
視線を受け止めきれない日もありました。それもまた人生です。
左手の障害を隠したかったとき、
やり場のない気持ちを受け入れ、守ってくれた場所が、左ポケットでした。
私には救いでもあり、同時にどこか虚しくもあった。
今でも、左のポケットに逃げ込むことがあります。
でも、今はもう悲しくなることはありません。
堂々とすることで得られる自由、隠すことで守ることのできる自由。
そのどちらも素晴らしくて、美しいという事実を、私は知っています。
きっと誰もが、やり場のない気持ちを胸に、ポケットに、今日を生きている。
ありのままの貴方が美しいのだというメッセージをこの本に託して。
昨日よりもほんの少し、貴方が自分のことを許せますように。
「自分のことが好きで、自分のことが嫌いな、世界に一人の貴方へ」
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Posted by ブクログ
「はじめに」から三上さんの優しく語りかけるような文章にひきこまれて心に響きました。
生まれてつい左手の指が2本で、セクシャルマイノリティを公表されていてる三上さん。
美容の世界でご活躍されていて、東京パラリンピックではリポーターもつとめられていました。
たくさんつらいことや難しいことがあっていくつも乗り越えていらした三上さん。
それだからこそ、語りの明るさや優しさに読んでいる方が癒されてしまうのでしょう。
「自分らしい」生き方について。
「金継ぎ」のお話。
自分らしくいることで、誰かの足りない部分を補えたり、誰かの凹んだ気持ちを埋めてあげたりできる。
とても素敵だと思います。
優しい語り口
著者三上さんのこれまでの人生の軌跡。三上さんのお人柄が伺える優しくて易しい文章。重い話になりがちな内容なところも三上さんの優しさとユーモアでくすっと笑いながら読みすすめられました。でもしっかり心に染みる一冊です。
Posted by ブクログ
クスッと笑えて、たまにジーンと胸にくる本でした。
美容が大好きな私は、
美容の力ってやっぱりすごいなぁと実感。
前向きになりたい時に読んでみたい本。
そして、障がいや個性についても考えさせられます。
Posted by ブクログ
東京オリンピック・パラリンピックのリポーターとして活躍された、三上大進さんの初エッセイ。
彼の人となりがよく伝わってくる、とても読みやすく、前向きな気持ちになれるエッセイだった。
新型コロナにより開催が1年遅れた東京オリパラ。
当時はまだ感染が収まる様子はなく、開催に反対する声も大きかった。
そんな微妙な立ち位置ながら、最終的には無観客で行われ、無観客と言いつつトライアスロンなど外で行われる競技では沿道で声を出さずに応援する多くの人の姿が映し出された。
三上さんを初めて画面で見たときは、この人はNHKのアナウンサーなのか?とおどろいた。
とても明るい陽オーラをまとったテンションの高いその姿は、盛り上がりに欠けると思われた大会に変化を与えた。
一生懸命選手のことを伝え、表情も豊か...正直選手より三上さんに目が釘付けだった。
この人はどこから出てきた人なの?もしかして手にハンディがあるのかな?
そんなことをちらっと思いながらも、あまりテレビを観ない自分はオリパラの終了とともに三上さんのことをすっかり忘れていた。
このエッセイで再び三上さんを知ることができ、ダブルマイノリティであることも軽々と飛び越えていくような姿に励まされる思いがした。
もちろん、このエッセイを読めば実際は軽やかに乗り越えているわけではなく、様々な葛藤があったことは伝わってくる。
でもなぜか、重要なのはそこではないと言われている気がするのだ。
三上さんのインスタライブがあったら、おばさんも勇気を出して参加してみたいと思う。
心にも影響を与える美容について勉強しようと思う。