あらすじ
自分の「弱さ」と「強さ」に後ろめたさを抱く男女の"守りバトル"、その結末は?芸能界でも活躍中の新鋭作家・長井短の傑作小説集! 映画現場の「見えない存在」を描く「存在よ!」併録。
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Posted by ブクログ
表題の「ほどける骨折り球子」の方は、球子の感情の発露はかなり極端でちょっと理解できないけれど、動機の方はわかる。無性に腹立たしくて、極端なことをしないと抵抗出来ない事柄だなってことも理解できるので、球子みたいな行動に出る人が居てもおかしくない。その癖球子は対話も出来るタイプで、勇もしっかり話をする人だから歩み寄れるの、羨ましいな。
「存在よ!」も、あぁ自分は今雑に扱われているな。存在を無視されているなって場面日常で直面することがある。そんな話をしてるのに深刻になりすぎないのは、椅子の可愛らしさによるものかな。椅子、本当にキュート。大好き。
Posted by ブクログ
表題作と「存在よ!」という中編2作を収録。
「ほどける骨折り球子」は、主人公の男が自意識過剰であまり乗れなかった。途中から展開が変わり「球子はなぜそんなことをしたのか?」「球子に対して俺は怒りをぶつけるべきか」と自問自答し2人の会話に入っていくのだが、球子は球子で自己愛こじらせ女で主人公以上にめんどい。最後まで読んだが「主人公にも球子にもライドしきれないなぁ、、、」という思いだけが残った。
「存在よ!」のほうが訳わからない設定を丁寧に描いていて好感が持てた。そうか「存在してる」って、相手に承認されて自信が持てるものだよね、と再確認。はじめ茫漠とした幽霊の意識が、自分を射抜く視線を見つけて光を見出し、希望に打ち震える。みんな本当は「あなたはそこにいていいよ」と言われたいのだ。