あらすじ
サバイブ、したのか? 俺ら。家族という〈戦場〉から。史也の中で鮮烈に残る映像は、父を殺そうと振り上げた斧だ──。痛みを伴う読書体験の先に、かけがえのない希望を見せてくれる、直木賞作家の真骨頂!《解説・早見和真》
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Posted by ブクログ
「『三人で撮ろうか』
僕がそう言って伯母と梓に声をかけると、母の両脇に二人が立つ。僕は三人の女に向けてシャッターを切った。僕を生かしてくれた女たちだ、と心のなかで思いながら」
DVを繰り返す父とそれから子供達を守ることができない母を持つ主人公、その妹と生まれた直後に捨てられた看護師が過去と向き合い、力強く自分の人生を歩み始める物語
前半の父親のDVの描写が過激で、過去に読んだ石田衣良の「北斗」を思い出した。 北斗は両親に反抗することができなかったけど、本作の主人公は父親に暴力という形ではあるものの立ち向かうことができて良かったと個人的には思う。
あの時に立ち向かったからこそ、より長く伯母と過ごすことができてそれが後々まで主人公の心の支えになり、一つの居場所になったのは大きかったと思う。
主人公と看護師が仲良くなるまでが恋愛ものっぽくて少ししっくりこないところもあったけど、二人のお互いの抱える怒りや憎しみの場面に立ち会うシーンや打ち明けるところは傷ついた人たちの再生の希望の可能性を示すものになるといいなとも思った。
Posted by ブクログ
梓が史也の家に流れ込んでくる強引さ(普通追い出す)と、2人の実家が青森でしかも近い偶然、青森へ行く好都合さ(ちょうど史也の仕事で出張決まる、都合よく先輩吉田さんの父が倒れる、梓の育ての父が追ってくる)、その出張先の保育園園長が梓の育った施設に偶然いた、という運の連続が気になる。
暴力を振るう方の父親にも、村議会議員の母の家で肩身が狭くて、しかも妻の不倫や息子が自分の子ではないと疑うなど一応背景があるのがよかった。
第一章
父を殺したような始まり。
カメラマンの仕事、キャバ嬢の水希。
↓
病院と夜道で梓と出会う
史也の学生期 DV父を斧で殴る
第二章
妹の結婚相手に会う
梓と水希の遺体発見、葬式、遺骨を母親へ
梓の育ての父親が史也の家に殴り込み、逃げるため青森へ
第三章
史也と梓の故郷青森へ。伯母の入院先へ
梓の乳児院と実家へ
第四章
梓の母に会いに→ちらし寿司ぶっかける
史也の実家へ
父が死にかけ、梓を残して一人帰る
父死亡、梓と結婚。