あらすじ
復讐するのも、復讐されるのも、僕にしかできない――。
『襲名犯』で第59回江戸川乱歩賞を受賞し鮮烈デビューを果たした竹吉優輔、8年ぶりの新作!
私立恵堂学園に通う和泉七生は、2年生から特進クラスに編入を果たした。友人もでき、新しいクラスでもつつましく学園生活を送っていたが、ある日黒板に謎のQRコードが現れる。読み込むと、「ギン」という謎の人物による、櫛屋すみれへの過去のいじめを告発するという脅迫動画が映し出された。
告発までの期間は約1か月。だが、同時にいじめに関するクイズも出題される。
唯一の部外者である七生は探偵役を任命されるが、自分の過去の罪の意識から、復讐と贖罪の間でさまよい始める――
デビュー作『襲名犯』で不条理と再生を描いた乱歩賞作家の復活長編!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
デスゲーム的な雰囲気で始まる長期スパンの謎解き。重いばっかりかと思いきや青春っぽい空気もあり、なかなか面白かった。女子と男子のスタンスの違い、みたいなのが垣間見えるところも好き。
Posted by ブクログ
何やら後ろ暗い過去を抱えているらしき、厨ニ臭漂う主人公。
クラス内いじめ×デスゲームっぽさ×黒幕考察という、ここ数年の流行りを寄せ集めたような展開に、正直序盤は「う~ん…」と思ったが、最後まで読み切って本当に良かった。
どれだけ多くの悪意を向けられても、周りの全てが敵に思えても、たったひとり自分を認めて絶対的な味方になってくれる存在がいるだけで、人はこんなにも救われるんだという事を「王様ランキング」ぶりに教えて貰った気がする。
大人が完全なる無力じゃ無い所もいい。
着地点も読後感も良かったと思う。
Posted by ブクログ
クラス内のいじめを告発するためのデスゲームは、ドラマの3年A組を思い出させる。
胸糞悪い緊張感が続くけれど、読むのをやめられない。そして最後まで読むことを強くお勧めする。
Posted by ブクログ
何をもって償いとするのかを考えさせられた。途中から人間の愚かさを痛感し、嫌な気分になったが、最後の結末が予想外であり、少し救われた気持ちになった。エンタメ作品として読む価値あり。
Posted by ブクログ
学園ミステリとして予想外の展開が起こるわけではないのだけど、「いじめ」という題材との向き合い方は真摯だと感じたし(起因となる出来事の仕様もなさも含めて)、探偵役となる主人公が自身のカウンセリング体験を事件解決に活かしているのが良かった。