あらすじ
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戦前から絵雑誌で活躍し日本の児童文化に貢献した《童画の父》の生誕130年記念出版。珠玉の「刊本作品」など多彩な創作世界を紹介
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
大正時代から児童向きのイマジネーション溢れる幻想世界を
描いた、武井武雄の生涯と作品の魅力を多くの画像と共に紹介。
空想の世界へようこそ 本の宝石 書物芸術の世界
孤高の銅板絵本『地上の祭り』 モダン版画ギャラリー
マルチアーティストの記録帖 おもちゃ万華鏡
武井武雄アルバム
essey、武井武雄年表、イルフ童画館
「童画」というジャンルを提唱した武井武雄の生涯と、
作品の数々を掲載し、その作品の魅力と彼の想いを解説する。
繊細な線画に大胆な構図と色彩。
装幀デザインの楽しさ。子ども目線の想像性や多彩な動き。
彼の謳う童画は、子どもの歓声が聞こえてくるようです。
大人のための小型絵本は、ブックデザインと製函の奇抜さ。
寄木、発泡紙、高岡螺鈿、ステンドグラス、パピルスなどで
139点が制作されていて、その全リストと制作ノートも掲載。
未来派の如くの木版画、おもちゃやこけしの愛らしさ。
戦中・戦後の気侭画帳。以前読んだ「日本郷土菓子図譜」。
全国の郷土玩具蒐集と研究をしつつ、手作りでおもちゃを
制作してしまう。それらマルチアーティストの姿もあります。
生涯では悲劇もあれども、多くの人々を牽引し、囲まれていて、
慕われていたこと。88歳までの長きの生き様に、感嘆します。
せなけいこさんが弟子だったことも知りました。
Posted by ブクログ
この夏、目黒区美術館でやっていた武井武雄展に最終日ぎりぎりで行っていきました。自分の子供の頃はもう絵本の世界の主役ではなくなっていたと思いますが、キンダーブックかなんかでちょっとシュールで可愛さ一辺倒ではない絵柄に触れたことがあり、親が武井武雄という名前を語っていたという嘘みたいな記憶があります。そういえば父親が子供の頃「赤ノッポ青ノッポ」が好きだったという話をしていたような…記憶の瘡蓋って、こうやって書いているうちにめくれてきますね。その展覧会で名前と画風しか知らなかった童画家の全容に初めて触れた訳です。そういえば童画という言葉も彼から始まるらしい…。本書はその展覧会の図録のような役割を果たしてくれました。絵だけでなく、本そのものの制作、おもちゃの研究、まさにその人生は「コドモノクニ」そのもの。彼が相関に関わった雑誌としての「コドモノクニ」は子供のための国だったかもしれませんが、彼の人生は子供だけでなく大人も含めた人間全体にとっての「コドモノクニ」だったように思えてきました。童画というジャンルからもっと大きなアートを作った人だと印象新たにしました。